Evident LogoOlympus Logo
超音波フェーズドアレイ チュートリアル - 目次

アレイとは

フェーズドアレイ探触子は、特定の方向に音波を一斉に発信できる一連の素子が組み込まれた、超音波検査探触子の一種です。この仕組みを使い、単一インスタンスで複数の対象ゾーンを検査できます。 

アレイとは

アレイとは、大量の物質を構造化して配列したものです。NDTの超音波アレイのうち最も単純な形は、検査範囲や検査速度を増大させるために、複数の一振動子型探触子を配列したものです。

フェーズドアレイ探触子の用途

フェーズドアレイ探触子は、以下のようなさまざまなNDTに使用されています。

  • チューブ探傷。通常、複数のプローブを使用して、亀裂や積層欠陥の検出および全体の肉厚測定を実施します。
  • 鍛造金属部品検査。帯状の小さな欠陥を検出するために、異なる深さに集束する複数のプローブを使用する必要があります。
  • 複合材料の層間剥離や金属腐食の検出向上を図るために、複数のプローブを表面に沿って直線的に配列します。

これらの検査には、高速のマルチチャンネル超音波機器が必要で、各チャンネルを処理するための適切なパルサー、レシーバー、ゲートロジックが装備されている必要があります。検査ゾーンを正しく設定するために、各探触子の正確な固定具も必要です。

フェーズドアレイプローブの最も単純な形は、一連の独立した素子が1つのパッケージに収納されたものです。これらの素子は従来型探触子よりずっと小型ですが、1つのグループとしてまとめてパルス発信することで、方向の制御が可能な波面を生成できます。この電子ビーム形成により、プローブを1か所に配置したまま、複数の検査ゾーンに対してプログラム化されたスキャンを高速で行うことができます。この点については、後で詳しく説明します。

フェーズドアレイ探触子の特性

フェーズドアレイ探触子は、以下の基本的なパラメーターに従い機能分類されます。

タイプ: フェーズドアレイ探触子の多くは斜角型で、プラスチック製ウェッジ、垂直探傷用プラスチックシュー(0度のウェッジ)、または遅延材と組み合わせて使用するように設計されています。直接接触型および水浸型探触子もあります。

周波数: 超音波探傷は2 MHz~10 MHzの周波数で実施することがほとんどなので、フェーズドアレイ探触子の周波数もこの範囲のものが多くなっています。これより低い、または高い周波数の探触子もあります。従来型探触子と同様に、低周波数になるほど浸透性が増し、高周波数になるほど分解能と焦点精度が増します。

素子数: フェーズドアレイ探触子の素子数は16~128個であることが多いものの、256個もの素子を持つ場合もあります。素子数が増えるほど集束とステアリングの性能が向上し、検査可能な範囲も広がります。ただし、プローブと装置両方のコストも上昇します。素子は個々にその発信のタイミングが制御され、意図した波面を生成します。したがって、これらの素子がカバーする範囲は、しばしばアクティブ方向またはステアリング方向と呼ばれます。

素子のサイズ: 素子幅が小さくなるほど、ビームステアリング性能は向上します。しかし広い範囲をカバーするためには素子数を増やす必要があり、コストが高くなります。

フェーズドアレイの寸法パラメーターは、慣習的に以下のように定義付されています。

フェーズドアレイプローブの寸法パラメーターは、通常、以下のように定義されます。

  • N = アレイ内の合計素子数
  • A = ステアリング方向またはアクティブ方向の合計開口幅
  • H = 素子の高さ(エレベーション。このサイズは固定なので、パッシブプレーンとも呼ばれる)
  • p = ピッチ(2つの連続する素子の中心間の距離)
  • e = 個々の素子の幅
  • g = アクティブ素子間の間隔

image of a phased array transducer



この情報を使用して、装置のソフトウェアは必要なビーム形状を生成します。この情報がプローブ認識ソフトウェアにより自動入力されない場合は、ユーザーがセットアップ時に入力する必要があります。

フェーズドアレイ探触子の内部構造

フェーズドアレイ探触子は、サイズ、形状、周波数、素子数が多岐にわたっていますが、すべてに共通するのは、たくさんのセグメントに分割された圧電素子を内蔵している点です。

現代の産業用NDTに用いられるフェーズドアレイ探触子は、圧電性複合材料を中心として作られているのが一般的です。圧電性複合材料は、ポリマーマトリクスに埋め込まれた極めて小さく薄い多数の圧電セラミックロッドで構成されています。複合材料による探触子の製造は容易ではありませんが、類似設計の圧電セラミック探触子に比べて感度が10~30 dB優れています。帯状の複合材料が、金属メッキによって電気的に独立したたくさんの素子に分割され、個別に発信できます。このセグメント化された素子を探触子に組み込みます。探触子にはそのほかに、保護的な整合層、バッキング材、ケーブル接続、全体を収納する筐体が含まれます。

フェーズドアレイ探触子の構成タイプ

上のアニメーションは、底面が長方形のリニアアレイを図示しています。この形状はフェーズドアレイでは最も一般的な構成です。アレイには断面上でのビーム制御を高めるためにマトリクスに配列したタイプや、球面状の集束パターンを生成するために円形に配列したものなどもあります。

フェーズドアレイ探触子はさまざまな構成に配置でき、それぞれにメリットとデメリットがあります。一般的なフェーズドアレイ探触子には次の構成があります。

リニアフェーズドアレイ探触子

リニアフェーズドアレイ探触子は素子が直線に配置されているもので、超音波フェーズドアレイ検査で最もよく見られる構成です。リニアフェーズドアレイ探触子は製造しやすいものの、深い位置に集束させるために大きくする必要があります。 

環状フェーズドアレイ探触子

環状フェーズドアレイ探触子と分割環状フェーズドアレイ探触子は、素子が円環状に配置されていて、共通の中心を持ちます。これらの探触子は、異なる深さでステアリング可能な、楕円形や球形のビームを生成できます。ただし、複雑な設計のため製造が難しくなります。 

凸状フェーズドアレイ探触子

凸状フェーズドアレイ探触子(曲面型または曲線型フェーズドアレイ探触子ともいう)は、素子が弓状に配置されています。この探触子は深部の検査に適していますが、深くなるほど画像解像度が低下する場合があります。 

正方形フェーズドアレイ探触子

正方形フェーズドアレイ探触子は、素子が正方形に配置されています。この配置はステアリング性能に優れていますが、複雑な設計のため製造が難しくなります。

円形フェーズドアレイ探触子

円形フェーズドアレイ探触子は、素子が円環状に配置されていますが、共通の中心がありません。さまざまな深さでのステアリング性能に優れ、特に曲面のある試験体に適しています。ただし、複雑な設計のため製造は難しくなります。

このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。
Let us know what you're looking for by filling out the form below.
このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。