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超音波フェーズドアレイ チュートリアル - 目次

グレイティングローブおよびサイドローブ

超音波フェーズドアレイに関連したもう一つの現象はグレイティングローブまたはサイドローブの生成です。このグレイティングローブ、サイドローブという密接に関係した二つの現象は、合成したい波形より大きい角度でプローブから拡散した超音波エネルギ―により発生します。この現象は超音波フェーズドアレイシステムに限定されるものではなく、振動素子サイズが大きくなるのに伴い従来型探触子でも発生します。ローブという不要な光線経路(ray paths)は、試料の表面で反射し画像上に偽表示を発生させることがあります。グレイティングローブの振幅はエレメントピッチ・サイズ、振動素子数、周波数、そして帯域(バンド幅)により大きく影響されます。下のビーム形状は、両者ともプローブの開口幅はほぼ同じ、但し左のビームは0.4mmピッチの6振動素子により、右のビームは1mmピッチの3振動素子により、それぞれ生成されているという条件で比較しています。左のビームは概ね円錐形状をしているのに対し、右のビームではビーム中心軸に対して30°の角度で二つの偽ローブが出ています。

グレイティングローブはアレイ内の振動素子個々のサイズが波長と同じかそれを上回った時にいつでも発生し、振動素子サイズが波長の半分以下の場合は発生しません(振動素子サイズが波長の1/2倍と1倍の間にある場合、グレイティングローブの生成はステアリング角に関係します)。従って、ある特定のアプリケーションにおいてグレイティングローブを最小限に抑える最も簡単な方法は、小ピッチのプローブを使用することです。また振動素子をさらに小サイズにし、かつ素子間の間隔を変えた振動素子を組み込んだ特殊プローブを設計することも、不要なローブの減少に効果があります。

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フェーズドアレイプローブのビーム集束 >>

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