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超音波フェーズドアレイ チュートリアル - 目次

イメージングの基礎 - 概要

従来型の超音波探傷器(UT)と超音波フェーズドアレイ探傷装置(PA)は、検査対象物の内部構造の欠陥検出や厚さを測定するために高周波数の音波を利用しており、同じ音波伝播に関する物理法則を適用しています。さらに、両機器は類似した超音波データの表示方法を採用しています。

従来型の超音波探傷器は、一振動子型または二振動子型の探触子を使用します。前者は一つの振動子で超音波を送受信します。後者は二つの振動子の一方が超音波を送信し、もう一方が受信します。典型的な超音波検査装置は、単一チャンネルのパルサーレシーバーが内蔵されており、外部ディスプレイや測定モジュールと連動してデジタルデータを取得する方式により探傷を行います。さらに高度な装置では、複数チャンネルのパルサーレシーバーと複数の探触子を同時に使用して一度に広範囲の検査を行うことができ、異なった深さにある欠陥の検出、欠陥位置の評価およびアラームの出力が可能です。超音波探傷システムは、波形の表示部、位置エンコーダー、制御機能、およびソフトウェアから構成されています。

一方、超音波フェーズドアレイ探傷装置は複数のチャンネルを持ち、振動素子数が16以上、多いものでは256個入っているフェーズドアレイプローブに励起パターン(フォーカルロウ)を提供します。従来型の超音波探傷器とは異なり、超音波フェーズドアレイ探傷装置では、一つのプローブから広い視野角にわたり超音波ビームを電子的に走査するセクタースキャン、直線状に超音波ビームを走査するリニアスキャン、または複数の深さ位置に超音波ビーを集束させるダイナミックフォーカスが可能で、検査設定の柔軟性や能力を高めることができます。一つのフェーズドアレイプローブで、複数の超音波ビームを生成できるという特長があり、検査領域の画像化を通じて検査対象物内部の可視化を可能にします。超音波フェーズドアレイ法での画像化により、二点間の相対的変化や複数角度からの欠陥エコーの観察が可能となり、欠陥の区別、サイズの判定が容易になります。超音波フェーズドアレイは複雑な技術に見えるかもしれませんが、実際には従来型超音波法でしばしば必要とされる複雑な固定具や複数の探触子の使用が不要となり、欠陥検出能力を向上させ、かつ簡単に検査領域を拡大させることができます。

次の項以降では、従来型超音波探傷法(UT)と超音波フェーズドアレイ探傷法(PA)のデータ表示形式について詳しく説明します。

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