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あるオフショア検査員とHydroFORM™フェーズドアレイスキャナーの1日

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オフショア石油リグプラットフォームでのロープアクセス作業

OmniScan X3データ収集機器を使用して曲面金属試料に対して行われた、フェーズドアレイプローブ付きHydroFORMスキャナーの試験

Evident Franceで次世代HydroFORMスキャナーとOmniScan X3探傷器を試すRaphael Mokriさん

デンマークのエスビエルに本拠を置くBilfinger UKの部門において、Raphael Mokriさんは先進的NDTプロジェクトエンジニアを務めています。約60名の従業員がいる中、Raphaelさんの仕事は、フェーズドアレイ、伝播時間回折(TOFD)、その他の先進的なNDTアプリケーションのあらゆる技術的な疑問に関して部門をサポートすることです。

Bilfingerは、オンショア・オフショアエネルギー産業の資産管理を専門とする産業用サービス企業です。

日常業務の一環として、Raphaelさんと検査技師チームは定期的に当社のHydroFORM™フェーズドアレイ(PA)スキャナーとOmniScan™ X3探傷器を使用して、PA超音波データを収集しています。先日、RaphaelさんがフランスにあるEvidentのオフィスを訪問した際に、次世代HydroFORMスキャナーを試す機会があり、その感想を語ってくれました。新たな機能設計に関するRaphaelさんの考えを掘り下げる前に、オフショアリグにおけるNDT検査員の仕事について伺いました。RaphaelさんへのQ&Aをご覧ください。

あなたのチームはフェーズドアレイやTOFDといった先進的NDT法を専門とされていますが、そうした技術を使ってどのようなサービスを提供されているのでしょうか。

Raphael:クライアントの多くは、石油・ガス産業か風力発電産業を基盤としています。各社のニーズによりますが、主に稼働中検査や新規製造検査です。これにはフェーズドアレイ腐食マッピング、溶接ルート腐食のTOFD、さらに特殊なパイプ支持部の接点腐食損傷などの検査があります。求められるサービスの種類に応じて、解決策をクライアントに提供しています。

当社のNDTサービスの主な役割は、クライアントの資産が設計当初の予定より長く稼働できるよう安心感を提供することにあります。社会の観点から考えると、結局のところ、石油リグがスムーズに稼働して事故が起こらなければ、社会全体も断然よく機能します。私たちは、人々や環境に害を及ぼす可能性がある石油流出、爆発、倒壊などの大惨事が起きないよう手立てを講じることで、責任を果たしています。

「結局のところ、石油リグがスムーズに稼働して事故が起こらなければ、社会全体も断然よく機能します。」

Q:先進的なフェーズドアレイが従来型UTより優れている点についてどうお考えですか。

Raphael:稼働中の腐食マッピングの観点から言うと、フェーズドアレイが従来型UTよりも優れている点は主に2つあります。

従来型UTは手動によるリアルタイムの検査法です。結果は検査員の能力と信頼性に大いに依存します。検査の効果には人的要因が重要な役割を果たします。フェーズドアレイを使うと、データが完全に記録されるので監査可能です。これはトレーサビリティや規制の準拠だけでなく、もっと重要な利点がたくさんあります。リアルタイムデータ収集の人的要因が取り除かれ、欠陥の検出率が上がります。

Q:オフショア検査中に直面する大きな課題をいくつか教えていただけますか。

Raphael:オフショアでの作業は海の真ん中で隔絶されているので危険を伴います。一番近い陸地までのフライトが45分ほどかかる場合があります。遠いと3時間かかることもあります。作業員の安全は主な課題の1つです。

もう1つは、隔絶性にまつわることなのでほとんど同じですが、検査を求められる資産にたやすく到達できるとは限らず、ロープアクセスが必要な場合がよくある点です。NDT法をロープアクセスと組み合わせる検査計画を作成しなければなりません。

天気も問題になります。時には非常に過酷な天候の中、作業します。極寒の日も強風の日もあります。地域によっては暑いこともあります。デンマークでの作業はそうでもありません。でもアフリカで作業したときはとても暑かったです。そうした状況と高所での作業が組み合わさることから、堅牢でありながら目的にも合う機器が必要なのです。

Q:オフショア検査機器を選ぶ際の条件をもう少し詳しく教えていただけますか。

Raphael:堅牢性、耐衝撃性、防水性を備えていることです。雨や過酷な条件でも作業できないといけませんから。雨は絶対に注意しないといけないので、確実に防水性が必要です。年中、昼夜を問わず作業しますから、夜間に作業可能なことも条件になります。バッテリー稼動時間も懸念材料の1つです。常に電源に接続できるわけではないからです。

耐衝撃性は間違いなく重要な要素です。追加の機器を5分で調達することはできません。次のヘリコプターや船が来るまで数日、あるいは1週間もかかる場合があります。使用する機器が目的に合っていることが重要であり、さまざまなNDT機器から得られるデータに基づいて整合性のある判断を下せるように、信頼性の高さも求められます。

Q:当社の検査ソリューションを既にいくつかご使用になられていますが、どの機種をどのような用途にお使いですか。

Raphael:主に使用しているのはOmniScan X3探傷器で、フェーズドアレイ腐食マッピング、PA溶接部検査、TOFDにメイン機器として活用しています。プローブに関してはEvident製のものをたくさん使っています。HydroFORMおよびFlexoFORM™スキャナーと共に、DLAプローブ、DGSプローブ、それにA32、A31、A27 DMAプローブを使っています。

合計すると、およそ30台のHydroFORM、20台のFlexoFORM、25台のOmniScan X3を保有しています。

オフショアの石油・ガス中央処理プラットフォームに設置された生産用セパレーター

オフショアの石油・ガス処理プラットフォームに設置されたセパレーター圧力容器

「HydroFORMは、内部エロージョンやコロージョンなど内部の問題を探すときに使います。」

これらは主に容器の検査に使っています。容器というのは分離容器のことです。坑井から液体が出るとき、通常は石油、ガス、海水が混ざっているため、すべてを分離する必要があります。セパレーターと呼ばれる圧力容器に通すと、圧力と密度に応じて分離されます。ガスは蒸気によって上方に上がり、石油は水に浮かび、水は容器の底部に広がります。

パイプラインや容器内の液体の種類に応じて、ある種の欠陥や欠陥メカニズムを予想できます。多くの場合、腐食(孔食、微生物孔食など)や浸食です。HydroFORMは、内部エロージョンやコロージョンなど内部の問題を探すときに使います。

通常、作業範囲の指示は、HOIS Recommended Practice for Non-Intrusive Inspection of Pressure Vessels – HOIS-RP-103に従って検査計画を作成する、オンショアの完全性チームが行います。始めは、容器の下半分を検査するよう求めるだけですが、結果によっては容器壁全体まで検査範囲を広げて、見つかった腐食の範囲を確認することもあります。

圧力分離容器壁に見つかった腐食と孔食を示すBilfingerのフェーズドアレイマッピング合成画像(上)と容器の写真(下)。

異物巻き込みと内部腐食が検出された圧力容器の3つの補強材基部の検査より、PAマッピング合成画像(上)と構成の写真(下)。

HydroFORMフェーズドアレイスキャナーとプローブを使用するScott Westwaterさん(Bilfinger UKマネージャー)

HydroFORMスキャナーの実用的な新しい追加機能、ScanDeck™モジュールの警告およびステータスライトを確認するScott Westwaterさん(Raphaelさんの部門のマネージャー)

Q:先日、フランスのEvidentを訪問して新しいHydroFORMスキャナーを試されていましたが、新設計はいかがでしたか。

Raphael:改良点にとても感心しました。プローブには2軸エンコーダーが付属していますが、これが実に有益です。例えば、配管の内部腐食を評価するには、HydroFORMシステムを使って、連続する50 mm幅のバンドスキャンを必要な距離全体が検査されるまで行います。HydroFORMの旧モデルの主な課題の1つとして、腐食の形状を正しくとらえるために、各バンドスキャンをそろえ続けることが挙げられます。

新しいHydroFORMスキャナーでは、2軸エンコーダーでスキャン軸とインデックス軸の両方が記録されるので、より信頼性の高いデータが得られるようになりました。腐食の正しい形状を容易にとらえられるので、資産を稼働し続けられる期間を判断するためのサービス適合性の計算を、完全性チームが正確に行えるようになります。

「腐食の正しい形状を容易にとらえられるので、資産を稼働し続けられる期間を判断するためのサービス適合性の計算を、完全性チームが正確に行えるようになります。」

もう1つの特長は、音響結合にそれほど多くの水を必要としない点で、新しいプローブは旧バージョンに比べて水の保持性がずっとよくなりました。例えばロープアクセスと併せて作業するときに、継続的な給水を利用できるとは限らないので、ときどき再充填が必要な手動の給水ポンプで作業することがよくあります。プローブに使う水が少なければ、作業を速く達成できるので効率的です。ロープを使った作業は難しく、肉体的にもきついので、このことは実に大きな利点です。

また、OmniScan X3探傷器をリモートで制御できるようになりました。スキャナーの右側に付いたコントロールは大きな改良点です。スキャンが速すぎるとOmniScanがすべてのデータを収集できないことがありますが、新しいスキャナーはスキャン速度を減速するべきときに知らせてくれます。

ScanDeck LEDとOmniScan X3を有効にするコントロールボタンが付いた新しいHydroFORMスキャナー

音響結合とスキャン速度の警告ライト、アクティブエンコーダーの矢印に加えて、ScanDeck™モジュールにはOmniScan™ X3探傷器でのデータ収集をリモートで開始するボタンが付いています。

Q:新しい機能はどのような問題の解決や容易化に役立ちますか。

Raphael:すべてのインジケータライトは効率面で役立ちます。スキャンを終えてから想定したほどよくないと気付く代わりに、速度が速すぎると、OmniScan X3のオペレーターによる指示ではなくスキャンアシスタント自ら気付くことができます。いつも騒々しい環境で作業していてコミュニケーションが難しい場合があるため、この機能は本当に便利です。こうしたすべての新機能は、データ収集の面だけでなくデータ分析面でも大いに役立ちます。スキャンの品質と信頼性の向上に確実に貢献するでしょう。信頼性の高いデータがあれば、確実にクライアントのためになります。

「信頼性の高いデータがあれば、確実にクライアントのためになります。」

新しくなったHydroFORMスキャナーの詳細は、www.olympus-ims.com/corrosion-solutions/hydroform をご覧ください。

 

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Application Specialist

Florin joined Olympus Europe in 2014 as an Application Specialist in advanced ultrasound technologies like phased array and guided waves. With a degree in Physics and a Ph.D. in NDT-related engineering, Florin’s background includes 9 years in research and development in the field of guided wave ultrasonics.

6月 27, 2023
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