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昆虫型ロボットの羽


要旨

ハーバード大学の工学・応用科学学部では、昆虫の羽と、マイクロ加工したシリコン型、そして製作した羽の関係を定量化する測定機器が必要でした。

工学・応用科学学部(SEAS)は、ハーバード大学の工学、応用科学、技術分野における教育、研究活動のまとめ役を担っている一方で、産業界や政府の研究機関との関係促進や、新規事業創出の支援に努めています

受賞経験もあるSEASのロバート・ウッド教授の研究室では、移動可能なマイクロロボットの設計、製作、制御、解析のあらゆる面についての研究を行っています。この研究室では、マイクロ加工やマイクロシステム設計における専門技術と自然界から得た洞察を組み合わせて、空中や地上環境に即した高性能マイクロロボットを誕生させました。このようなシステムは、捜索救助や危険な環境での調査、自然環境調査、監視、探査などに利用されています。

ウッド教授の研究室では、微細な型と人工の羽の製作において、正確な形態学的測定値を得るために、オリンパスの3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4000が使用されました。

自然界の再現

自然界の再現

適切な装置とスタッフを得たロバート・ウッド教授と田中博人博士は、ハナアブの羽の再現に成功し、約1年という期間で、カーボンファイバー製の蝶番がついた、ポリマー製の羽を作り出しました。羽は飛行移動の原動力となっているため、3次元構造の特性を解析することが極めて重要となります。羽の柔軟性と飛行中の空気力学的性能は、羽の3D構造に大きく影響されます。

羽の製作、特に表面形状の測定において最も重要なのは、細部に注意を払うことです。このプロジェクトの光学測定機器として選ばれたのは、電子顕微鏡(SEM)や触針式表面形状測定機ではなく、オリンパスの3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4000でした。その理由は、SEMでは高さを測定できないため、また触針式表面形状測定機では(通常四角すい形の)スタイラスの先端が側壁にぶつかって底部まで届かず、急峻な壁のような形状を測定できないためです。OLS4000は、深いくぼみや85ºの壁でも素早く正確に測定できることを特長としています。

羽
本物の羽                                人工の羽

プロセスの定量化

ハナアブの羽の設計が終わったら、羽を製作するための型を作る必要があります。地形のように複雑な羽の両面の特徴をシリコン型で再現するためには、綿密な作業が必要です。

シリコンが型の材質として選ばれるのは、レーザースパッタリングによるエッチング加工に適しているからです。レーザースパッタリングは、エッチングによる複製で細部を正確に再現するときによく使用されます。厚さ10μmの薄い膜、高さ50~125μmの翅脈、それに高さ100μmのひだを考えれば、この作業が容易ではないことが想像できます。スパッタリング工程中に、この3種類の微小特性をまとめて素早くチェックするために、OLS4000が使用されました。スパッタリング後にOLS4000を使って、エッチングの深さを正確に測定します。OLS4000では1回の走査に1分もかからないので、極めて短時間で結果がわかり、さらなるスパッタリングが必要かどうかを判断できます。本物の羽、型、そして新しく作られた羽の表面形状を測定することにより、この新しい成形プロセスによる複製の精度が高いことが実証できました。

正方形の溝の測定

前述のように、製作する羽の両面の特徴は本物の羽の特徴と一致している必要があります。構造だけでなく、羽の表面形状も、飛行性能に影響を与える要因の一つであると考えられます。昆虫の羽の表面形状は、空中での揚力と抗力の大きさに影響します。最も重要なことは、羽の表面形状によって、羽の柔軟性や、羽ばたき飛行時の羽の変形具合が決まるということです。

OLS4000では、デュアルコンフォーカルを採用しています。共焦点ピンホールと検出器を2系統搭載することにより、システムの検出感度が上がり、最大85ºまでの側壁の画像取得や測定を可能にしています。田中博士の設計による型では、高アスペクト比をもつU字形溝をエッチングで加工する必要があり、この重要な表面特徴を正確に測定できるレーザー顕微鏡システムとしてOLS4000が使用されました。

また、OLS4000のステッチング機能により、広範囲にわたる測定や、構造特徴の確認が可能となります。ステッチングは、複数の高解像度画像を一つに貼り合わせることができるソフトウェア技術です。この機能により、複数の画像を貼り合わせて羽全体の表面形状を測定できます。

人工の羽
A. 人工の羽:滑らかな面、2D画像
B. 人工の羽:滑らかな面、3D画像
C. 人工の羽:凹凸がある面、3D画像
D. 人工の羽:凹凸がある面、2D画像
カーボン蝶番の全体像
カーボン製蝶番の全体像:OLS4000リアルカラー画像、対物レンズMPLFLN 2.5X
カーボン製蝶番
カーボン製蝶番:OLS4000レーザー共焦点モード、カラー画像の重ね合わせ
カーボン製蝶番(3D)
カーボン製蝶番:OLS4000レーザー共焦点モード、3D画像

カーボン製蝶番の品質検査

オリンパス3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4000
オリンパス3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4000

製作された羽の付け根に2個の部品からなる蝶番があります。カーボンファイバー製の硬い部品(黒色)とフィルム製で極薄の湾曲部品(白色)です。レーザースパッタリング後の厚さと幅が特に重要となります。幅を忠実に再現することが極めて重要なのは、蝶番全体の強度に影響するからです。幅の忠実な再現は、OLS4000のリアルカラー画像とスケール機能を使用することで実現しました。また、共焦点画像を使って、80μm±5μmという厚さの割り出しや検証が行われました。

Olympus IMS
この用途に使用される製品

LEXT OLS5000は、非接触・非破壊で微細な3D形状の観察・測定が可能なレーザー顕微鏡です。 サブミクロンオーダーの微細な形状測定に優れ、スタートボタンを押すだけでオペレーターの習熟度に左右されない測定結果を得ることができます。 従来比4倍のデータ取得速度を実現し、専用長作動距離レンズや拡張フレームにより従来諦めていたサンプルも測定できるようになりました。
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