Inspection & Measurement Systems

用途/事例

アプリケーションノート

超音波プリアンプ

アプリケーション: 超音波探傷、厚さ計測およびその他の超音波による試験・測定アプリケーションにおけるプリアンプの使用。

背景: 特定の超音波アプリケーションでは、最適なエコーを取得するために、別個のプリアンプを標準の探傷器、厚さ計などの測定器に追加して、十分なゲインまたは向上した広帯域にわたってのS/N比を確保する必要があります。これは、ノジュラー鋳鉄、オーステナイト鋼、黄銅、青銅、ゴム、グラスファイバーまたは特定の複合材など、高い超音波減衰・散乱を示す材料の分厚い部分の試験を含む個別のアプリケーションで必要になります。プリアンプは、低振幅信号の増幅が必要なアコースティック・エミッション試験システムの重要な要素でもあります。プリアンプを使用して、探触子-試験測定器間のケーブルが非常に長い場合に発生する振幅損失を補償することも可能です。それによって、大型の試験片が関係するスキャンアプリケーションにおけるS/N比を向上させたり、TOFD(Time-Of-Flight Diffraction)試験における小さい先端回折信号を増幅させたりします。岩や鉱物の弾性係数の測定、水中や他の液体中の泡またはプランクトンなどの音響散乱体の解析、および生物組織の分析おいても、プリアンプは使用されています。一般に、プリアンプは、最適な性能のために追加ゲインが必要なほぼすべてのアプリケーションで使用できます。

機器: 7種類のプリアンプがあります。これらで選択できる帯域幅とゲインを下記に示してあります。すべてのモデルが幅広い探傷器、厚さ計およびパルサーレシーバと互換性があります。完全な仕様については、プリアンプのデータシートを参照してください。

型番

5660B

5660C

5662

5670

5676

5678

5682

帯域幅

20 kHz to
2 MHz

500 Hz to
2 MHz

50 kHz to
5 MHz

50 kHz to
10 MHz

50 kHz to
20 MHz

200 kHz to
40 MHz

500 kHz to
25 MHz

ゲイン

40/60 dB

40/60 dB

34/54 dB

40 dB

40 dB

40 dB

30 dB


動作原理: プリアンプの主な目的は、低レベル音響信号が関係するアプリケーションにおいてレシーバのS/N比を向上させることです。プリアンプが追加の低ノイズ増幅を提供することにより、測定器本体におけるゲイン設定値を小さな値で使用できるようにして、ベースラインノイズを制限します。プリアンプによって、測定器本体の最大ゲインでも検出できない小さいエコーが検出できる場合があります。加えて、高周波ノイズの制限には、プリアンプのRFバンドパスフィルタが役立ちます。

下の波形は、特殊な500KHzの二振動子型探触子を使用して行った、重機タイヤの布補強材上の140mm(5.6インチ)のゴムタイヤトレッドの厚さ測定を表します。このような一部の困難な試験においてプリアンプが存在しない場合は、エコーを得るためにゲインを最大近くに設定する必要があり、次のような重大なベースラインノイズが存在する可能性があります。



しかし、プリアンプをシステムのレシーバ側に追加すると、強力な底面エコーを維持しながら測定器ゲインを30dB以上低下させることができ、次のようにベースラインノイズが大幅に低下します。



接続手順:
プリアンプを試験システムに接続する方法には、以下に概略を示す2通りがあります。
1. 一振動子の探触子を持つパルスエコーシステム


図1 -- パルスエコー法のケーブル接続

パルスエコーシステムにおいて一振動子の探触子とプリアンプを使用した場合、探触子のケーブルは「T」コネクタに接続されます。Tの一方の分岐は超音波測定器のトランスミッタ探触子コネクタに接続されます。Tのもう一方の分岐はプリアンプ入力になります。プリアンプ出力は超音波測定器のレシーバ探触子コネクタに接続する必要があります。超音波測定器にモード選択スイッチ(一振動子/二振動子またはパルスエコー/透過)がある場合は、一振動子の探触子が使用されていても、モード選択スイッチを二振動子または透過の位置に設定してください。

2. 透過、ピッチ/キャッチ、または二振動子型探触子システム



図2 -- 透過法のケーブル接続

トランスミッタおよびレシーバに別個の探触子または二振動子型プローブを使用しているシステムの場合、プリアンプはシステムのレシーバ側(試験測定器のレシーバ探触子-レシーバ入力間)に接続されます。超音波測定器にモード選択スイッチ(一振動子/二振動子またはパルスエコー/透過)がある場合は、モード選択スイッチを二振動子または透過の位置に設定してください。

一般的注意: 上で述べたように、プリアンプを使用するときは必ず、パルスエコーセットアップで一振動子の探触子を使用する場合でも、通常は透過、二振動子、またはピッチ/キャッチモードのいずれかに試験測定器を設定してください。

プリアンプは、信号損失の原因がゲイン境界、強化用繊維、またはその他の個別反射源からの散乱にあるのではなく減衰にある場合に非常に効果的です。散乱ノイズは所望のエコーとともに増幅されるからです。

特定の超音波システムで効果的に使用できるゲインの量は、システムを構成する各機器の増幅器特性と内部ノイズのレベルによって制限されます。プリアンプでは、内部ノイズは非常に低くなっていますが(660Bの入力の場合で5μVピークツーピーク)、一般に、100dBを超えるシステムRF電圧ゲインは実用的でありません。プリアンプを使用して増幅器の飽和を防ぐ場合には、探傷器およびパルサーレシーバは、実用的な範囲で最小限のゲイン設定で使用してください。

高ゲインのプリアンプ出力が一定の超音波測定器で入力回路を過負荷状態にして、ベースラインオフセットおよび非線形の振幅が現れることもあります。RFフィルタおよび測定器ゲインを慎重に調整することによって、この効果を最小限に抑えられる可能性があります。極端な場合には、プリアンプ出力と測定器レシーバ入力の間に外付けのアッテネータを接続できます。

高ゲインシステムにおいては、外部RFノイズのピックアップを防止するために、探触子ケーブルの同軸性を確実に維持することが重要です。

探触子励起パルスは、パルスエコーモードでの動作時に、潜在的なプリアンプ損傷を防ぐために、5682では500ボルトを、他では300ボルトを超えてはなりません。この制限は、透過または二振動子のセットアップには適用されません。

パルスエコーモードでの動作時に、励起パルスまたは境界エコーの増幅は、表面付近の分解能の低下を招くことがあります。RFフィルタおよびパルサーのダンピングを慎重に調整することによって、この効果を最小限に抑えられる可能性があります。

プリアンプを使用して非常に長いケーブルでの伝送損失を補償する場合、プリアンプはケーブルの探触子側に位置していなければなりません。

この用途に使用される製品

5058PR

高電圧超音波パルサーレシーバ5058PRは、減衰材料などの測定用途において超音波試験と測定を行う機器です。パルサー部は、低周波数探触子にインパルスタイプの励起パルスを最大900 Vまで発生することができます。

5072PR

手動制御式超音波パルサーレシーバ5072PRは、一般的な試験および高周波の試験の両方に使用できます。35 MHz(-3 dB)までの周波数帯域とスパイクパルサーは、一般的な検査に適しています。最適な帯域幅では、特に15~30 MHzの範囲で短いパルス立ち上がり時間での駆動ができます。

5073PR

手動制御式超音波パルサーレシーバ5073PRは、一般的な試験および高周波の試験の両方に使用できます。パルス立ち上り時間の短いスパイクパルサーによる75 MHz(-3 dB)までの周波数帯域では、時間軸また表面近距離での分解能が重要な用途において、50 MHz探触子による測定などの性能を向上させます。

5077PR

35 MHz(-3 dB)までの周波数帯域および矩形波パルサーレシーバを装備した手動制御式超音波パルサーレシーバ5077PRは、超音波減衰材料に対して受信応答性を最大限に発揮できるモデルです。矩形波パルサーは、10 MHzまたはそれ以下の探触子で試験をする場合に特に有効です。

EPOCH 1000 シリーズ

フェイズドアレイ機能(断面映像化)を搭載した高性能超音波探傷器です。

EPOCH 600NEW

高い性能と使いやすさにこだわった「ハイクオリティ&ユーザーフレンドリー」モデルの超音波探傷器です。

EPOCH LT

低価格ハンディータイプの超音波探傷器です。わずか38 mm(1.5インチ)の薄型探傷器です。

EPOCH LTC

わずか0.96 kgの堅牢でコンパクトな超音波探傷器です。マルチカラーVGAディスプレイ、PC用USB On-the-Go ポート、ダイナミックDAC/TVGは標準装備です。

EPOCH XT

数多くの機能を標準装備した高性能な超音波探傷器です。調整可能な矩形波パルサー、選択可能な狭帯域および広帯域のデジタルフィルターなど。

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