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超音波厚さ測定 チュートリアル

6.1 材料による要因

高温や水中のように特殊な条件での測定時には、超音波試験に追加の考慮事項が出てきます。 次に示す条件のいずれかで超音波厚さ計の使用を計画される場合には、安全と正確な結果を確実にするため、この推奨事項に従ってください。

高温での超音波試験

高温(およそ125°Fまたは50°C超)での測定は注意深く計画する必要があります。 腐食用途で用いられる二振動子型探触子の多くは高温に耐えることができ、場合によっては、短時間の接触であれば最大930°Fまたは500°Cまで耐えられます。 しかし標準的な直接接触型探触子は、およそ125°Fまたは50°Cを超える温度にさらされると、各構成材料の熱膨張係数が異なり高温で剥離するため、損傷または破壊してしまいます。 直接接触型探触子は、指で無理なく触れるには熱すぎる表面には決して使わないでください。 また、高温測定は、常に遅延材付き探触子(適切な高温用遅延材を使用)または水浸型探触子のある一振動子型を使用して、モード2またはモード3で行う必要があります。 特定の探触子の選択については、オリンパスにお問い合わせください。

音速は、どの材料においても温度とともに変化し、通常は材料の温度が低くなると速くなり、高くなると遅くなります。また、凝固点および融点では急激に変化します。 この影響は、金属やセラミックスよりもプラスチックやゴムで大きくなります。 正確さを最大にするには、測定を行うのと同じ温度で厚さ計の音速を校正してください。 室温での音速に設定された厚さ計で高温材料を測定すると大きな誤差が発生することが多いため、注意してください。 最後に、およそ100°C(200°F)を超える温度では、特殊な高温用接触媒質の使用を推奨します。

超音波厚さ計を使用した工程内測定

工程内または工程間の超音波厚さ計測では、押出成形のプラスチックパイプや管、電気ケーブル外被、および板金などの製品を、移動中に連続的に測定できます。 マルチチャンネル装置であれば、管状製品の外周やシート幅全体の多数のさまざまな位置で測定できます。 工程内測定は、通常、水浸型探触子を用いて実施されます。水浸型探触子は、音響エネルギーを水槽あるいは水柱を通して結合させ、製品との直接接触を回避します。 押出成形のパイプ、管、およびケーブル外被の場合は、冷却水を接触媒質として使用して既存の冷却タンク内で測定できることが多くあります。 探触子を試験材料に対して正しい配置に保持するためには、何らかの固定が必要です。

長い探触子ケーブルを使用した超音波試験

ほとんどの場合、超音波厚さ計ではおよそ1メートル(3フィート)の長さの探触子ケーブルを使用します。 一般に、試験条件上必要でない限り、非常に長いケーブルの使用は推奨されません。 標準的な試験周波数でケーブル長が約3メートル(10フィート)を超える場合は悪影響が発生する可能性があるため、ケーブル効果を考慮する必要があります。 特定の場合に使用できるケーブルの最大長さは、探触子タイプと測定対象の最小厚さに依存します。 二振動子型探触子では、適切な装置設定であれば最長100メートル(300フィート)の、一振動子型探触子よりもかなり長いケーブルが使用できることに注意してください。 特に、ケーブルの信号減衰の主な原因になり、ケーブルを通じたパルス伝搬時間を補正する、探触子のケーブルへの電気的マッチングの問題に注意してください。

超音波水中試験

腐食調査用途の中には、水面下に没した支持杭や船体の厚さを測定する場合があります。 ほとんどの標準的な直接接触型、遅延材付き、および二振動子型探触子は、短時間なら問題なく浅い水につけることができますが、長時間の浸水や深い所への潜水(水深約2メートル(6フィート)超)は、特に海水であれば腐食や水の侵入によって最終的には故障してしまいます。{ 深海での用途に対しては通常、高圧下での水の侵入を防止する耐水性二振動子型探触子が使用されます。 上記に提案されるように、最大およそ100メートル(300フィート)の深さで使用できるのはこのタイプの探触子です。

塗料、エポキシ樹脂または他の保護表面などのコーティングを通した測定の場合には、特定の考慮事項があります。 詳細については、コーティング厚さ計のセクションをご覧ください。

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