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超音波探傷チュートリアル

3.4 パルサーおよびレシーバーの働き

すべての超音波探傷器には、所定の検査に合わせて装置設定のパルサー/レシーバー部を最適に調整するための選択可能パラメーターが数多くあります。

標準的なパルサーのコントロール

パルサーのコントロール

パルスタイプ:ポータブル探傷器では、2種類の励起パルスがよく使用されます。 スパイクパルサーは、非常に速い立ち上がり時間と急激な回復を特徴とする広帯域パルスを生成します。 矩形波パルサーは、探触子の中央周波数に同調される単一サイクルの矩形波を生成します。 通常、矩形波パルサーの方が探触子へのエネルギー出力が大きいため、現在では広く利用されています。

パルス幅または周波数:前述のように、矩形波パルスは探触子の周波数に同調する必要があります。 (スパイクパルスは広帯域パルスなので同調する必要はありません)。

パルス電圧または電圧:スパイクパルスと矩形波パルスの振幅はどちらも、100v~400v以上の範囲の適切な応答に調整できます。 電圧が高いほど浸透力が大きくなる一方で、電圧が低いほど表面近傍分解能が向上し、バッテリー駆動時間が延びます。

パルス繰り返し周波数(PRF):パルサーがパルスを発射する速さを制御します。通常は10 Hz~1000 Hz以上です。 PRFが高いとスキャンとデータ収集の速度が速くなり、PRFが低いとバッテリー駆動時間が長くなる上、長い音波経路での回り込みノイズが制限されます。

ダンピング:ダンピングコントロールは、出力波形の形状を変化させる抵抗器を選択します。 標準値は50オーム~500オームの範囲です。 ダンピング抵抗が低いほどパルスダンピングが強くなり、表面近傍分解能が増します。一方、ダンピング抵抗が高いほどパルスダンピングが低くなり、浸透力が増します。

検査モード:使用できるモードは、パルス/エコー、デュアル、透過です。 パルス/エコーモードは最も一般的な設定であり、単一素子がトランスミッターとレシーバーの両方の役割をする探触子を使用します。 デュアルモードは二振動子型探触子とともに使用します。この探触子は、単一探触子内にトランスミッター振動子とレシーバー振動子が分かれて組み入れられています。 透過モードは、2つの探触子を試験体の両側から使用する設定用です。

標準的なレシーバーのコントロール

レシーバーのコントロール

ゲイン:すべての探傷器では、標準的な検査で受信するさまざまな信号振幅に対応する幅広いダイナミックレンジ(通常100 dB以上)でレシーバーゲインを調整できます。 ゲイン調整は、特定の規格要件に適合するよう、ベースゲインと基準ゲインの各設定に分ける場合があります。 デジタル機器では、距離や深さに対して調整することもできます(TVGまたはDAC)。 これらの機能についてはセクション6で説明します。

フィルタリング:受信したエコーの選択可能なバンドパスフィルタリングでは、信号から不要な高周波数または低周波数をフィルタリングすることにより、SN比や表面近傍分解能が向上します。 多くの装置には、広帯域設定や、周波数帯域全体にわたる狭帯域フィルタリング用に数多くの選択肢があります。

波形表示:受信したエコーは、RF未整流信号、正半波整流信号、負半波整流信号、または全波波形として表示できます。 未処理エコーは、まず正と負の両ピークを持つRF波形として処理されます。 RF表示モードが便利なのは、試験体が非常に薄い場合や、エコーの位相や極性に注目する場合です。 正半波の波形には正のピークのみが示されるのに対し、負半波の波形には負のピークのみが示され、基線の正の側が逆転します。 半波の波形では、疑似ピークを取り除くことでSN比が向上する場合があります。 全波の波形では、基線の正の側に正と負のエコーローブが両方とも表示されます。この形式は探傷用途で最もよく使用されます。

RFモード

RFモード

正半波

正半波

負半波

負半波

全波

全波

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