柔軟性に優れたフェーズドアレイ構成

アドバンスド・カリキュレーターは、有効な機能の一つで、事前に登録されているウエッジ、プローブ、材料のデータベースに基づき、1-Dリニアアレイ、1-D環状アレイ、2-Dマトリックスアレイプローブの屈折角を簡単、高精度にプログラムします。

アドバンスド・カリキュレーターにより、平面形状や円形形状用のセクター、リニア、深さスキャンで使用可能で、ダイナミック・デプス・フォーカシング(DDF)に対応します。さらにOmniScan探傷器対応のフォーカルロウ・ファイル(.law)の作成にも使用することができます。

ダイナミック・デプス・フォーカシング(DDF)は、動的にビーム形成を変更することにより分解能を向上します。これにより、必要な検査速度を維持しながら欠陥検出分解能を改善することができます。

ダイナミック・デプス・フォーカシング(左)と、標準フォーカシング(右)。

コンディショナルA-スキャンとは、アラームを検出した場合にのみA-スキャンを記録する機能です。この機能は、重要なデータがあるエリアでのみA-スキャン表示を記録することができるため、1回の探傷で広いエリアの探傷を可能にします。

各種新機能の追加により、TomoView 2.10はさらにグレードアップした高い分析を可能にします。
データファイルの最大サイズが2GBに拡張され、複数のファイルのデータを統合したり、広範囲を検査した場合に得られるデータをより効率的に解析することができます。

容積ビューを複数の画面によりわかりやすくデータ表示し、効率的に解析できる容積合成機能があります。

TomoView 2.10は、高度な解析アルゴリズムにより収集データをさらに詳しく解析することができます。
強力なノイズ分析機能で、SN比を数値で表示し、探傷条件に関するさらに詳しい情報を得ることができます。

雑音環境でも優れたC-スキャンデータの表示が可能な各種マトリックスフィルターがあります。

複数のデータファイルを一つのファイルに合成し、同時に解析することが可能なので、解析処理をより効率的に実施することできます。
TomoView 2.10は、最大2GBまでのデータファイルを処理することができ、これまで以上に多くのデータファイルを一つにまとめることができます。

異なるC-スキャンを一つのC-スキャンに合成可能です。合成前の複数のC-スキャンデータの最大または最小振幅値、検出深さのいずれかを選択して表示することができます。

異なる音響ビームを一つのグループに統合し、検査部全体をクリアに表示し欠陥指示の解析を簡易化します。
空間上のオーバーラップが起きた場合、最大振幅が保持されるため、統合されたビューは、元の欠陥指示の位置に関わらず、検出したすべての欠陥指示を表示します。
使用したマージ分解能によって、欠陥指示が異なる場合があります。

SNR(Signal-to-Noise Ratio)機能

TomoViewには、SNR機能が付いています。SNR解析ユーティリティーは、C-スキャン表示上にある基準エリアのノイズレベルを評価し、ノイズより上にある欠陥指示のある表面積を計算するために使用します。
このSNR機能は、TomoView Analysis(解析用ソフトウェア)とTomoView Weld and Aero(溶接部検査と航空宇宙部品検査解析用ソフトウェア)に含まれています。SNR機能は、航空宇宙部品検査用に垂直探傷で使用されています。トップ(C)ビュー、振幅ビュー、深さC-スキャンビューでこの機能を使用することができます。

使いやすいレポート作成ツール

以下のプロセスを繰り返すだけで、容易にレポート作成ができます。

1. ゾーンツールを使って、欠陥指示を追加
2. 欠陥指示テーブルのテンプレートを選択(測定値とコメントの追加が可能)
3. [追加]をクリック

ロゴの変更と検査の特定情報(検査担当者名、検査実施場所、試験体名など)の追加も可能です。関連する検査設定情報を含むhtmlレポートも簡単に作成することができます。

レポート作成が完了すると、欠陥指示テーブルは自動的に、.R01形式で保存され、後でTomoViewにアップロードされます。