計量トレーサビリティと校正

計量トレーサビリティ 校正国際相互認証の仕組み校正証明書

校正

校正はJIS Z8103 :2019では下記のように定義されています。
「指定の条件下において、第一段階で、測定標準によって提供される不確かさを伴う量の値とそれに対応する指示値との不確かさを伴う関係を確立し、第二段階で、この情報を用いて指示値から測定結果を得るための関係を確立する操作。」

POINT

測定システムで測定標準を測定し、指示値に対して不確かさ・偏りを評価します。そして指示値と測定結果の関係を明確にします。
つまり、校正で評価し、明確にすることは下記になります。

( L + a ) ± U
指示値:L、偏り:a*、不確かさ:U

* この場合の偏りaは便宜的に「測定標準の値と被校正測定システムの指示値との差」を意味します。
校正には測定システムを調整したり、ソフトウェアで補正するなどの偏りaの調整を行うことは含みません。

校正結果の評価

(一次)校正結果は、合否判定結果ではありません。そのため、校正結果を受け取ればそれで終わりというわけではありません。
社内判定基準に従ってその後の使用を判断する必要があります。
・社内基準で受入可の場合 :そのまま/もしくは補正して使用。
・社内基準で受入不可の場合 :直ちに使用を中止し、不合格識別及び、隔離をする。再調整・修理・新品更新などを行う必要がある。

POINT

測定システムを調整する場合は、調整前の校正データと調整後の校正データ両方を記録することが重要です。

定期校正に対する要求

トレーサビリティの要件の1つとして、校正周期を定める必要があります。校正証明書の測定結果は校正時点での値であり、将来的な測定結果を保証するものではありません。そのため、定期的に校正を行うことで、使用環境や使用状況の変化、部品の消耗・劣化、その他様々な変動要因が測定結果に影響していないかを確認することが求められます。ISO 9001:2015では校正状態の識別を行い(校正実施日、有効期限のラベル表示)、確実に定期的な校正を行い、管理するための仕組みづくりが求められます。
 

校正周期

校正の周期は、用途や測定システム、環境などを考慮して、お客様で決めるものです。
あまり校正周期を長く設定すると、社内基準から値が外れた際の経営上のリスクが大きくなります。
そのため、適切な校正周期を設定するとともに、 「中間チェック」を行うことで、更にリスクを軽減することが可能です。
 

校正結果が社内基準から外れた場合

ISO 9001:2015では、「測定機器が意図した目的に適していないことが判明した場合、組織はそれまでに測定した結果の妥当性を損なうものであるか否かを明 確にし、必要に応じて、適切な処置をとらなければならない。」と明記されています。つまり校正結果が社内基準から外れた場合は、過去に遡り当該計測システムを用いて行った検査の結果の有効性を検証・評価する必要があります。最終的には生産している製品への影響を確認をする必要があります。
 

中間チェックの重要性

中間チェックとは標準サンプルを使用して定期的に測定することで、測定システムの状態及び、得られる値を確認することです。中間チェックを定期的かつ適正に行っていれば、たとえ、結果が規格から外れた場合でも、遡る期間が短かくなります。
 

中間チェックをしない場合

遡る期間が長く、リスクが高い

遡る期間が長く、リスクが高い

中間チェックをする場合

遡る期間が短く、リスクの軽減ができる

遡る期間が短く、リスクの軽減ができる

POINT

可能であれば、毎日測定前に標準サンプルの測定することをお薦めします。標準サンプルを定期校正することが重要です。

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