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水力発電所におけるビデオスコープを用いた検査


水力発電所におけるビデオスコープを用いた検査

背景

全世界の発電量は、年々増加しています。火力発電所、水力発電所、原子力発電所に加え、近年では風力、太陽エネルギー、地熱、波力などの自然エネルギーの使用がますます普及してきました。しかし風力などの自然エネルギーによる発電は変化する自然環境に左右されるため、不規則な発電容量しか得られず、その利用は補助的な発電に限られています

電気は保存に不向きであるため、過剰な発電は無駄に終わります。一方、発電容量が不十分なときは停電が発生するおそれがあり、そうなれば市場が混乱しかねません。変動する電力需要に対応するためには、適応性のある発電による安定した供給が不可欠です。     

水力発電は、柔軟性のある発電です。電力会社は水力発電所と他の発電所を組み合わせて、電力供給を最適レベルに維持しています。特に、電力需要が極端に増加する夏のピーク時には、水力発電は有効な発電方法です。

水力発電の特徴

水力発電は、電力需要の変動を効率良く吸収することができます。この特徴は、水力発電所の発電プロセスに由来します。燃焼タービンシステムによる発電とは異なり、水力発電は水流のエネルギーを利用します。したがって、水の流量を調節するだけで、発電容量を効率的に制御することができるのです。この特徴に加えて、水力発電には二酸化炭素排出量が少なく発電効率が高いという利点もあります。

水圧エネルギーは水が流れることによって発生し、ダムなどで水が自由落下するときに最大になります。火力発電所のような他の発電所は蒸気の冷却に海水を使用するため海岸近くに集中しているのに対し、水力発電所は高低差を利用するために山岳地帯に設置されています。

水力発電所の検査範囲

水力発電所における定期検査の範囲は、他の種類の発電所とは異なります。一般的な検査項目は以下の通りです。

  • 水車のブレード(図1)
  • 水車のシャフトとベアリング(図1)
  • 送水管系などの内部の堆積物(土砂、木材、虫など)
  • 水量調節バルブ
  • 変圧器
  • 送電塔

図1 発電用水車の拡大図
図1 発電用水車の拡大図

水車のブレードが大きければ発電効率が高くなり、大容量の安定した発電が可能になります。ブレードを支えるシャフトも大きなブレードに合わせて大きくなります。同様にベアリングも大型になります。ダム湖には上流から流されてきた土砂が堆積するので、湖面から底までの深さが大きくなるように設計されています。火力発電所などの他の発電所に比べて水力発電所の施設は巨大なので、特に長いRVI装置が必要になります。
RVI装置は全長が長いことだけでなく、卓越した湾曲機能も備えていることが要求されます。

ほとんどの場合、水力発電所は山中に設置されているため、目的地まで長距離送電することになります。結果的に、送電損失を低減するためには数十万kWの高電圧送電が不可欠になり、重い送電線を支えるために巨大な送電塔も必要になります。これらの塔の保守管理も欠かせません。巨大な送電塔の柱は、強度を確保するためにパイプ構造になっています。鳥や小動物がこれらのパイプの内部に営巣して、腐食を生じることが広く知られています。
その点検にビデオスコープが使われます。

その他の検査装置

水力発電所の検査には、ビデオスコープ以外の検査装置も使われています。 

  • 蛍光X線分析器

蛍光X線分析器は、ベアリングなど摩擦が生じる場所に設置され、摩耗により潤滑剤の漏れを引き起こす金属部品の分析に使われます。

施設の安全操作管理を確実にするために、このような検査が定期的に実施されます。水力発電所の推定寿命は100年です。水力発電所は他の種類の発電所に比べて2倍以上の長きにわたって使用されるため、定期検査はよりいっそう重要です。
 

Olympus IMS

この用途に使用される製品
5mから最長30 m まで、豊富なラインナップのロングタイプビデオスコープ。熱交換チューブやボイラー、給排水管の内面検査など、対象の深層部にまでスコープを挿入する事が可能です。

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