超音波フェーズドアレイデータ収集装置「FOCUS PX」を発売2015年09月01日 オリンパス株式会社（社長：笹 宏行）は、科学事業の新製品として、自動車や航空機などの金属部品や複合材、溶接部などの内部を破壊・分解することなく検査できる超音波フェーズドアレイデータ収集装置「FOCUS PX（フォーカス・ピーエックス）」を、2015年9月1日に国内で発売します。 超音波探傷とは、検査対象物に超音波を当て、その戻り時間と強さにより、検査対象物内部の欠陥の位置や大きさを検査する手法のことです。超音波探傷技術の一つであるフェーズドアレイ機能は、医療用エコー検査のように、検査対象物の内部を映像化でき、欠陥の位置などを視覚的に捉えることが可能です。フェーズドアレイは、航空機・自動車部品・鉄鋼・鉄道車両などの製造現場における品質検査や、大型プラントのメンテナンスなどで広く用いられています。 今回発売する「FOCUS PX」は、「FOCUS LT」の後継機で11年ぶりのフルモデルチェンジです。最新のフェーズドアレイ技術を採用し、優れた信号品質により欠陥の検出能力を向上させています。専用のソフトウェアを用い、パソコンを介して最大4台の装置を同時にコントロールすることが可能で、高度な自動検査と効率化を実現します。また、お客様の用途に応じた検査データの解析、メニュー表示のカスタマイズも行えます。これらにより、より快適な検査業務をサポートします。 ●発売の概要
●主な特長
●市場導入の背景当社の産業分野では、工場設備のメンテナンスなどのサポートを通じて安全・安心に暮らせる社会づくりに貢献する非破壊検査機器や、品質検査などのサポートを通じて生産性向上に寄与する工業用内視鏡など、さまざまな検査機器を展開しています。 非破壊検査機器のひとつである超音波探傷装置は、対象物に超音波を当て、その戻り時間と強さにより、検査対象物内部の欠陥の位置や大きさを検査する機器で、手動で検査を行う携帯型と、自動で検査を行う据え置き型があります。携帯型は、ビルや橋梁、工場配管やボイラーなどのメンテナンスや製造現場における抜き取り検査などに適しています。据え置き型は、製造現場における検査ラインに組み込むことにより、自動で全数検査を行ったり、大型部品を効率的に検査できたりすることが特長です。さらに、専用ソフトウェアによりお客様の用途に応じてシステム全体をカスタマイズすることが可能です。 今回発売する「FOCUS PX」は据え置き型の新製品です。パソコン1台で最大4台の装置を同時にコントロールできることにより、より高度で効率的な検査業務に貢献します。 ●主な特長の詳細1. パソコン1台で最大4台の装置をコントロールすることにより、高度な検査と効率化を実現 最新のフェーズドアレイ技術を採用した優れた信号品質により、欠陥の検出能力を向上させました。また、検査部品の大きさや検査速度など、お客様の検査要求に応じて「FOCUS PX」は1台での使用から4台までの接続使用が可能です。4台の装置を同時使用することで、検査速度が大幅に上がるとともに、高度なプローブ構成も可能となり、要求の厳しい検査用途にも対応できるようになりました。これにより、航空機などの大型部品や金属製品、鉄道車両の車輪・車軸なども効率的に検査できます。 2. 専用のソフトウェアにより、お客様の用途に応じたカスタマイズが可能 専用のソフトウェア「FocusPC」は、装置の制御および傷の深さや大きさなど、検査データの解析をすることができます。またお客様の用途に合わせてデータ表示のカスタマイズが可能なため、オペレーターは必要な作業を効率的に行えます。さらに、FocusDataとFocusControlをオプションで追加することで、お客様の用途に応じた検査データの解析、メニュー表示のカスタマイズも行うことができます。 3. 防塵・防滴、耐久性の向上により、さまざまな現場で安心して使用することが可能 IP65準拠の防塵・防滴性能を確保し、40℃までの使用環境にも対応します。高温、オイルミストや粉塵が舞うなど、厳しい環境の工場検査ラインでも使用可能な設計となっています。
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