前のセクションで検討した音速およびゼロ点校正に加えて、超音波厚さ計では、出射する音響パルスの形状やサイズ、受信したエコーがどのように処理され、時間計測されるかに影響する一連のハードウェアおよびソフトウェア設定が必要です。 これらの設定は、探触子の選択、材料の種類、および厚さ測定範囲によって異なります。 特に腐食用厚さ計の場合など、これらのパラメーターがプローブ認識ソフトウェアによって自動で設定されることもあります。 その他多くの場合、オペレーターは特定用途に対して適切な設定の入った厚さ計のプリプログラム設定を呼び出すだけです。 ただし、高度な厚さ計の場合には、規定されていない用途に対し、必要に応じてユーザーが設定パラメーターを調整し、最適化した設定を実現できます。
カスタム設定は通常、特定の用途の測定要求事項が、厚さ計で利用可能な標準設定のいずれにも最適に合致しない場合に使用されます。
この種の設定調整は、超音波計測の基礎理論と超音波波形の解釈に精通した、認定技術者のみが行うようにしてください。 これらの調整の多くは相互作用し、そのすべてが測定範囲や測定の正確さに影響します。 ほとんどの場合、調整は必ず内蔵の波形表示または補助プログラムを介して波形を監視しながら行うようにしてください。 また、特定用途に合わせてカスタム設定を確立する際は、データ取得前に、測定対象の材料と厚さ範囲に相当する標準試験片で性能を検証することが不可欠です。
次のセクションでは、高度の超音波厚さ計で一般的な、調整可能な設定パラメーターをいくつか検討します。 ただし所与のモデルでは、これらの調整すべてが必ずしも利用可能ではないことに注意してください。