GX53は、研磨された金属や部品などの樹脂埋めサンプルを下向きにして、ステージに置くだけで観察できる倒立顕微鏡です。サンプル面の傾きを調整することなく、大きさや厚さ、最大5kgまでの重さのあるサンプルも載せて検査を行えます。
オリンパスならではの光学技術と先進のイメージング技術との融合によって、GX53は多種多様な検査シーンで従来を上回る鮮明な画像を提供。誰でも簡単に高度な観察や解析が行えます。また、画像解析ソフトウェアOLYMPUS Streamを使用すれば、観察から解析、レポート作成までのワークフローを簡単かつシームレスに実行できます。
見えにくかった対象物も鮮やかに。視野外だった範囲も全容まで。MIX観察やハイレベルな金属組織解析など多彩な先進機能を搭載し、検査の質を高めます。
1. 見えなかったものも鮮やかに浮かび上がる
2. 手動ハンドルで手軽にパノラマ撮影
3. 全面に焦点が合った画像を
4. 明部も暗部も同時に見やすく
1. 粒子解析ソリューション
2. 工業規格に準拠した多彩な金属解析
経験の少ない方も、熟練者同等のハイレベルな検査を。ユーザー視点で使いやすさを追求したデザインと機能により、観察・解析・レポート作成を快適かつ簡単に行えます。
1. 前回観察時の条件を再現
2. 高度な画像解析が手軽に
3. 短時間で洗練されたレポート作成
光学技術の限界を超えた画像と、信頼性の高い測定結果を。長年にわたり磨き続けてきたオリンパスの光学ノウハウと、先進のイメージング技術を融合。かつてない見えをお届けします。
1. 波面収差コントロール|バラつきの少ない高精度の測定結果を実現
2. 高輝度白色LED照明|明るさを変えても色合いは一定
3. シェーディング補正|微小な輝度ムラを除去
4. 自動キャリブレーション|より正確な測定をサポート
目的に応じたシステムをリーズナブルに。組合せ自由なモジュール式ユニットを多数ご用意しています。サンプルや用途に合わせて、必要なものだけを選択いただくことで過剰なコストを抑えられます。
1. モジュール式システム設計|サンプルや検査用途に合わせ自由にカスタマイズ
GX53は先進のイメージング技術により、従来には得られなかった画像を実現。隠れていた欠陥や対象物、 視野外だった全容も鮮やかに映し出し、ハイレベルな解析を効率的に行えます。
明視野、暗視野、簡易偏光などの照明方法は、それぞれに得意とする対象物がある一方、見えにくくなる対象物があります。MIX観察は、明視野や簡易偏光の照明と、暗視野照明を組合せることで両方の持ち味を生かした、かつてない見えを実現。また、暗視野照明は任意の方向から部分的に照射でき、サンプル内の対象物をより効果的に強調します。
プリント基板の断面
明視野照明
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暗視野照明
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MIX: 明視野+暗視野照明
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ステンレス鋼
明視野照明
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暗視野1/4照明
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MIX: 明視野 + 暗視野1/4照明
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高倍率で観察する場合の困りごとが、一度に対象物が視野内におさまらないことです。Streamを使えば、手動ハンドルでステージを動かすだけでも素早く画像貼合せが行え、全容を1枚の画像にすることができます。広範囲の観察や解析が必要な場面に役立ちます。
ボルトのメタルフロー観察
手動ハンドルでステージ操作 | メタルフローの状態がひと目でわかる |
サンプル表面に凹凸があると、部分的にフォーカスが合わない箇所が生じます。Stream使用時は、フォーカスハンドルで上下に対物レンズを動かすだけで全面に焦点の合った画像を作成できます。
樹脂製部品
Streamでは、独自の画像処理アルゴリズムにより露出時間を変えた複数の画像を自動で合成。ハレーションの抑制やコントラストの強調により、明部から暗部まで鮮明な画像が得られます。金属組織内の粒界の識別、電子部品の微細構造の検査に威力を発揮します。
金めっき
ハレーションで表面の状態が見えづらい | HDRで暗部と明部の両方をクリアに観察 |
クロム拡散皮膜
表面の状態が不明瞭 | HDRで組織の状態がくっきり見える |
MIX観察をはじめ、多彩な観察法でさまざまなサンプルを鮮明に映し出します。
明視野観察はレンズからサンプルへ照明光を垂直に照射し、サンプルからの直接反射光を観察する最も一般的な観察法です。 一方、暗視野観察は照明光を斜めから照射。サンプル表面の段差により発生する散乱光や回折光を観察します。これまで見えなかったサンプル表面の微細なキズや欠陥も検出可能です。
明視野観察 | 微分干渉観察 |
微分干渉観察では、数nmレベルの微小段差にコントラストをつけることで、明視野観察では見えないサンプル表面の金属組成などを立体的に観察可能です。サンプルの特性に応じて適切な解像度とコントラストが得られるよう、3種類の微分干渉プリズムをご用意しています。
明視野観察 | 偏光観察 |
偏光観察は、偏光を利用し、サンプルの複屈折の特性を鮮やかな干渉色として浮かび上がらせます。干渉色はサンプルを回転させることで、組成固有の性質で変化。金属組織や鉱物の観察に適しています。
明視野観察 | MIX観察: 明視野+暗視野 |
MIX観察は暗視野観察に明視野観察など他の観察法を併用することで、サンプルからの直接反射光と、サンプル表面の段差により発生する散乱光や回折光を同時に観察できます。 上のMIX観察画像は、部品断面の外観とともに、接着層の状況を鮮明に表しています。
各種工業規格、業界標準への準拠は、品質管理の上でも重要であるばかりか、取引先様の納入条件であることも 多く、厳密に対応する必要があります。GX53はStreamとの組合せにより、さまざまな工業規格に対応する金属解析が可能です。画面のガイダンスに従うだけで、繰り返し、同じ条件、正しい手順で解析でき、ばらつきを排除できます。
> 画像解析ソフトウェアOLYMPUS Streamの詳細はこちら
工業検査においては、多数の対象物を計測し、その結果をサイズ別に分類する定量分析が頻繁に必要となります。Streamの粒子解析(カウント/計測)機能は、高度なしきい値設定方法を複数ご用意。規格に応じてしきい値を設定すれば、対象物(粒子やキズなど)だけをより確実に検出できます。検出結果は形状やサイズ、輝度、彩度などを基準に、50種類以上のパラメーターでクラス分類することが可能です。
OLYMPUS Streamによるクラス分類結果グラフ
鉄鋼のフェライトやオーステナイトなどの結晶粒サイズを計測し、そのサイズ分布を自動分析します。
対応規格: ISO、GOST、ASTM、DIN、JIS、GB/T
フェライト結晶粒の微細組織
鋳鉄品(球状黒鉛とバーミキュラー黒鉛)の黒鉛球状化率を自動解析することが可能です。また、黒鉛のサイズ、形状、分布の分析や、フェライト/パーライト率の算出にも対応しています。
対応規格:ISO、NF、ASTM、KS、JIS、GB/T
延性鋳鉄における球状化黒鉛
鋳鉄解析
事前に最悪視野や最悪介在物を特定し、その画像を使ってサンプル内の非金属介在物の計測、分類が行えます。
対応規格:ISO、EN、ASTM、DIN、JIS、GB/T、UNI
非金属介在物含有の鉄鋼
非金属介在物解析(最悪視野)
金属組織検査において、検査画像と各種工業規格の標準図を自動的に同等倍率で画面内に並べて表示可能です。一つの検査画像に対して複数の標準図を並べて表示することもできます。簡単に比較できるため、規格準拠の判断がスムーズに行えます。
対応規格:ISO、EN、ASTM、DIN、SEP
非金属介在物含有の鉄鋼 | フェライト結晶粒の微細組織 | ||
ソリューション | 対応規格 |
粒度解析(切断法) | ISO 643: 2012, JIS G 0551: 2013, JIS G 0552: 1998, ASTM E112: 2013, DIN 50601: 1985, GOST 5639: 1982, GB/T 6394: 2002 |
粒度解析(計数法) | ISO 643: 2012, JIS G 0551: 2013, JIS G 0552: 1998, ASTM E112: 2013, DIN 50601: 1985, GOST 5639: 1982, GB/T 6394: 2002 |
最悪視野の非金属介在物解析 | ISO 4967(method A):2013, JIS G 0555(method A): 2003, ASTM E45(method A): 2013, EN 10247(methods P and M): 2007, DIN 50602(method M): 1985, GB/T 10561(method A): 2005, UNI 3244(method M): 1980 |
鋳鉄解析 | ISO 945-1: 2010, ISO 16112: 2017, JIS G 5502: 2001, JIS G 5505: 2013, ASTM A247: 16a, ASTM E2567: 16a, NF A04-197: 2004, GB/T 9441: 2009, KS D 4302: 2006 |
チャート比較 | ISO 643: 1983, ISO 643: 2012, ISO 945: 2008, ASTM E 112: 2004, EN 10247: 2007, DIN 50602: 1985, ISO 4505: 1978, SEP 1572: 1971, SEP 1520: 1998 |
皮膜厚さ測定 | EN 1071: 2002, VDI 3824: 2001 |
GX53はユーザー視点で使いやすさを追求したシステムです。Streamとの組み合わせにより、サンプルに合った観察、多様な解析、用途に応じたレポート作成までの一連の検査作業をガイダンスに従って行えます。
> 画像解析ソフトウェアOLYMPUS Streamの詳細はこちら
ハードウェア設定は映した画像に保存させることが可能です。観察方法や明るさ、対物レンズといった観察条件はすべて記録できるので、その後の使用時や、他のユーザーが使用する際にも、簡単に条件を再現できます。常に同一の条件で検査できるので、信頼性の高い結果が得られます。
作業者ごとに設定がばらつく | 設定された観察条件を読み出し | どの作業者でも同じ設定で観察可能 |
Streamは、初めての方にも安心なユーザーガイダンス機能を搭載。画面に表示されるガイダンス通りに操作するだけで、さまざまな工業規格に準拠した金属解析を行えます。複雑な解析方法を覚える必要がなく、簡単にハイレベルな解析が可能です。
肝心の画像取得や計測よりも、レポート作成に多くの時間を費やしてしまう。こうした問題を解消するために、Streamではマウスを数回クリックするだけで洗練されたレポートを作成できる機能を搭載。レポートの印刷時は、画像倍率を指定でき、ポラロイド写真と同じ倍率で拡大印刷が可能です。
光学系 | UIS2光学系システム(無限遠補正) | |
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本体 | 落射照明系 |
明視野/暗視野ミラーユニットマニュアル切換方式
視野絞り/開口絞りマニュアル開閉、心調整機能付 光源:白色LED(寿命:60,000時間/一般的な使用方法における設計値)、12V100Wハロゲンランプ、100W水銀ランプ、ライトガイド照明光源 観察法:落射明視野、 落射暗視野、落射微分干渉*1、 落射簡易偏光*1、落射明暗視野同時(落射:4分割照明)*2 *1は別途専用のスライダーユニットが必要。 *2はMIX観察ユニット組合せ時。 |
本体 | 透過照明系 |
透過照明ユニットIX2-ILL100(視野絞り付き)を組合せることで可能
PMG3-LWCD:コンデンサー(NA0.6、W.D.12mm)、 開口絞り付き 光源:白色LED(寿命:60,000時間/一般的な使用方法における設計値)、12V100Wハロゲンランプ 観察法:透過明視野、透過簡易偏光 |
本体 | スケール写し込み | 全ポートに写し込み可能(接眼レンズでの観察位置と上下反対位置) |
本体 | 出力前ポート(オプション) | カメラ・DPシステム(裏像、GX専用カメラアダプター) |
本体 | 出力横ポート(オプション) | カメラ・DPシステム(表像) |
本体 | 電源電装系 |
落射照明系
落射照明用LED電源GX53F内蔵 連続可変式調光つまみ 入力定格:5VDC、2.5A(ACアダプター:100-240VAC 50/60Hz 0.4A) 透過照明系 ※ BX3M-PSLED(オプション)使用 連続可変式電圧調光つまみ 入力定格:5VDC、2.5A(ACアダプター:100-240VAC 50/60Hz 0.4A) 外部インターフェース ※BX3M-CBFM(オプション)使用 コードレボルバー用コネクター×1 MIXスライダー(U-MIXR)用コネクター×1 ハンドスイッチ(BX3M-HS)用コネクター×1 ハンドスイッチ(U-HSEXP)用コネクター×1 RS-232Cコネクター×1、USB2.0コネクター×1 |
本体 | 焦準部 |
2ガイドラックピニオン方式
粗微動共軸ハンドル ストローク9mm(ステージ面より上に2mm、下に7mm) 微動ハンドル1回転あたりの移動量 100μm(1目盛り1μm) 粗動ハンドル1回転あたりの移動量 7mm 粗動ハンドル回転重さ調整機能付き 粗動上限ストッパー付き |
鏡筒 | 広視野(視野数22mm) | 倒立:双眼鏡筒(U-BI90、U-BI90CT)、三眼鏡筒(U-TR30H-2)、ティルティング双眼鏡筒(U-TBI90) |
レボルバー | 明視野用 | 穴数:4~7個、種別:手動/コード(手動)の有無、心出しの有無 |
レボルバー | 明暗視野用 | 穴数:5~6個、種別:手動/コード(手動)の有無、心出しの有無 |
ステージ | 標準タイプ | GX専用右手前ハンドルステージGX-SVR XYストローク:50×50mm、最大積載質量:5kg |
ステージ | オプション |
右下フレキシブルハンドルステージ(XYストローク50×50mm、最大積載質量:1kg)
左下ショートハンドルステージ(XYストローク43×50mm、最大積載質量:1kg) グライディングステージ(最大積載質量:1kg) |
ステージ | 中座 | シズク型、長穴型セット |
質量 | 約 25kg(本体のみ 20kg) | |
使用環境 |
・屋内使用
・温度5~40℃ ・湿度最大80%(31℃まで) 31℃以上の使用環境湿度は直線的に下がり、34℃(70%)~37℃(60%)~40℃(50%)となる。 ・電源電圧変動 ±10% |
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