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FlexoFORM™スキャナーを使用したパイプエルボーの流れ加速腐食および浸食腐食の検査


OmniScan SX探傷器によるパイプエルボーの検査

パイプエルボー検査でのフェイズドアレイ技術の限界

フェーズドアレイ(PA)技術は、過去10年間でパイプラインやプロセス配管の腐食検査に幅広く使用されてきました。 この技術には、高分解能データ、高画質イメージング、優れたカバー範囲といった利点があります。 フェーズドアレイの使用により、検査結果の分析が比較的容易になることから、多くの場合、生産性が向上します。 色分けされたC-スキャンを含めた高画質イメージングは、オペレーターのスキルに検査結果が左右されるのを防ぎ、検出確率の向上に役立ちます。 ただし、市場に存在する大型で柔軟性のないフェーズドアレイプローブは、パイプエルボーの検査にはあまり適していません。 大型で柔軟性のないフェーズドアレイプローブは、内輪の凹面から外輪の凸面への表面形状の変化に適合できず、また検査が必要な広い範囲のパイプ径をカバーできません。 つまり、パイプエルボーの超音波探傷検査は、小型の従来型超音波(UT)プローブを使用したマニュアルでのスポット検査に限定されてきました。 このプロセスでは、エルボーにグリッドを描いてボックスごとに検証する必要があります。 時間と手間がかかることに加え、この従来型のUT法では、フェーズドアレイ技術が提供する利点のすべてを享受することはできません。

エルボー腐食マッピングの現在の検査法
エルボー腐食マッピングの現在の検査法

流れ加速腐食(FAC)と浸食腐食

水や蒸気を運ぶパイプラインがある発電所では、こうしたパイプの内壁には特定のタイプの腐食が生じやすくなっています。 流水や蒸気は酸化保護膜の成長を阻害するため、停滞している水中で発生する腐食より早い速度で流れ加速腐食(FAC)が生じます。 石油・ガス産業でも同様の影響が見られます。

浸食腐食とは、パイプ中を流れる液体によって生じる応力により悪化した減肉です。 FACや浸食腐食は、検査しないままにすると故障につながる恐れがあります。 非常に多くのパイプを検査する必要があるため、FACや浸食腐食の防止にかかる時間とコストを最適化する方法が必要となります。 従来型のUT法を使用したパイプエルボーの検査は、非効率のため実用的ではありません。

FlexoFORMパイプエルボースキャナーを使用したソリューション

オリンパスでは、パイプエルボー全体の高分解能の厚さマッピングを行える、柔軟性のある超音波フェーズドアレイプローブおよびスキャナーを開発しています。 イメージングによって、FACの特定と的を絞った修理やメンテナンス計画がより容易になっています。 FlexoFORMフェーズドアレイソリューションは、残りの稼働寿命を評価しパイプエルボーの寿命を延ばすのに役立つツールであるといえます。

FlexoFORMソリューションには、柔軟性のあるフェーズドアレイプローブ、局所水浸用ウエッジ、スキャナーの3つの主な構成要素があり、安定性と、検査部位の表面における位置情報を提供します。

FlexoFORMソリューションの構成要素

FlexoFORMソリューションの構成要素

FlexoFORMフェーズドアレイスキャナー対 従来UT

FlexoFORMスキャナーとOmniScan®機器を使用して、外径8.625インチ、厚さ7 mmの炭素鋼パイプエルボーの検査を実施しました。 柔軟性のあるフェーズドアレイプローブにより、3エレメントのビーム開口部を使用して1 × 1mmの分解能が得られました。 エルボー全体をスキャンするのに4分しかかかりませんでした。

従来のUT法では、準備に時間がかかり、検査を含めた全体のプロセスに最大5時間かかることもあります。

時間の節約も重要ですが、このフェーズドアレイソリューションのもう一つの利点はイメージングです。 スキャン結果は、非常に深刻な減肉を示しています。 各ビュー(C-、B-、D-、およびA-スキャン)に、浸食の位置とその進行状況が明確に表示されています。 最小測定厚さはほぼ2mmで、このソリューションを用いて優れた表面近傍の分解能が得られることが実証されています。

炭素鋼パイプにおける流れ加速腐食のC-、B-、D-、およびA-スキャンビュー
炭素鋼パイプにおける流れ加速腐食のC-、B-、D-、およびA-スキャンビュー

FlexoFORMスキャンソリューションによって得られる利点のまとめ

このフェーズドアレイスキャナーソリューションを使用することで、発電および石油・ガスの検査担当者は、パイプエルボーの高分解能の厚さマッピングを取得することができます。 FlexoFORMパイプエルボースキャナーは、流れ加速腐食や浸食によって生じる減肉の迅速かつ信頼性の高い診断を可能にしています。 FlexoFORMスキャナーソリューションに含まれる柔軟性のある超音波フェイズドアレイプローブおよび局所水浸用ウエッジが、広い範囲のパイプ径に対応できることで、柔軟性のないフェーズドアレイプローブによるこれまでの課題を解決しています。 このソリューションはコスト効果に優れ、使いやすく、生産性の大幅な向上に役立ちます。

Olympus IMS

この用途に使用される製品
OmniScan™X3シリーズは、さまざまなフェーズドアレイツールを網羅する探傷器です。革新的なTFMと高度な可視化機能によって、自信を持って検査を実行できます。また、強力なソフトウエアとシンプルなワークフローにより、高い生産性の実現をサポートします。
革新的なFlexoFORMスキャナーで、 困難だったパイプエルボーの腐食検査が容易になります。 このスキャナーの機械的に柔軟な構造を実現したフェーズドアレイテクノロジーによって、パイプエルボーの表面を、外輪から内輪にいたるまでマッピングできます。
シングルグループで軽量のOmniScan SXは、読み取りやすい8.4インチ(21.3cm)のタッチスクリーンを搭載し、コスト効果に優れたソリューションを提供しています。 OmniScan SXには、SX PAおよびSX UTの2種類のモデルを用意しています。 SX PAは、16:64PRの装置で、UT専用のSX UTと同様に、従来型UTチャンネルを備え、P/E、P-CまたはTOFD検査に対応しています。
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