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渦流アレイ技術による、ステンレス鋼管の腐食孔食検出

腐食孔の検出

海上プラットフォームのステンレス配管の腐食を検出するための主要な方法として、放射線透過試験(RT)が過去何十年にもわたって使用されてきました。しかし、X線の使用に関する規制が段々と強化され、いくつかの国ではすでに放射線透過試験が許可されなくなっています。

放射線透過試験では、検査員がX線装置に近づける距離が厳格に規制されているため、この規制の遵守は大きなコストアップ要因となります。この環境における放射線透過試験のもう一つの問題点として、検査員がロープを使って現場へアクセスしなければならないことがあげられます。このような環境では、検査員が放射線管の近くに留まれないため、安全な場所と検査位置との間を頻繁に行き来しなければなりません。また、腐食深さを正確に測定するためには配管の像を何回も繰り返して撮影しなければならず、そのため、解析に要する時間が長くなり、コストが増大します。これがRTに付随する第三の問題点です。

表面下検査における渦流アレイ試験(ECA)の利点 -放射線透過試験(RT)との比較：

RTよりもはるかに迅速
検査実施中の作業者の立ち位置についての制約がない
得られる画像を簡単、かつ直観的に理解できる
結果を遡って追跡可能。事後解析可能
スキャン速度が速く、即時に結果が得られる
欠陥の深さを迅速に評価
感度調節可能
環境に優しい（化学薬品の不使用）

ECA技術を使用すれば、表面の前処理をほとんど必要とせずに腐食検出と腐食深さの判別を行えます。検査員は配管に沿って1回だけ移動しながら、配管セクションごとのスキャンに4回のパスを実行するだけなので、非常に迅速な配管検査が可能になります。データ取り込みの速度が非常に速く、欠陥検出の校正も簡単です。設定ファイルも保存が可能なため、次回の作業でこれを呼び出すことにより、データ記録からシームレスな事後解析、データ保管までの一連の操作を簡単に実行できます。また、レポートファイルを装置から直接作成することができます。

使用機器

渦流アレイ(ECA)ソリューション - OmniScan装置
- OmniScan MX（ECAモジュール装着）
  - C-スキャン表示
  - バッテリー駆動
  - エンコーダースキャン、または時間基準スキャン
  - 設定内容とデータを記録

図1. OmniScan MX探傷器と腐食プローブ、およびステンレス鋼製試験片

渦流アレイ(ECA)ソリューション – プローブ

腐食アプリケーション用に特別に設計された堅牢なECAプローブ
握り易い構造のプローブ（ロープを使ってアクセスする場所でも簡単に使用可能）
2.375インチの配管を検査するには4回のパスが必要（必要なパスの回数は配管のサイズとチャンネル数に依存）
内蔵エンコーダー

図2. 腐食検出用プローブの例

信頼性に優れた腐食検出

信頼できる画像

図3. 腐食孔のC-スキャン画像

腐食深さの測定

記録されたデータを利用して腐食深さを測定することができます。予め記録されている設定を使用して、次の2つの重要なパラメーターが直ちに表示されます："V PP"（垂直振幅P-P： "vertical amplitude peak-peak"）、"θ PP"（位相角、P-P： "phase angle, peak-peak"）。