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超音波カプラント(接触媒質)


超音波カプラント(接触媒質)

超音波カプラント(接触媒質)は、直接接触型の検査用途に使用され、探触子と試験体間で音響エネルギーを伝播しやすくする働きがあります。 カプラントは、適度に粘着性の強い非毒性の液体、ゲル、またはペースト状です。 一般的に、非破壊検査で使用される超音波周波数の音響エネルギーは、空気中では伝播しにくいため、接触媒質を使用する必要があります。 減衰作用のほか、空気層は探触子のウェアプレートおよび標準的な試験体のどちらについても、音響インピーダンスの深刻なミスマッチを生じさせます。 探触子と試験体の間にごくわずかでも隙間があると、音響エネルギーが伝播しにくくなり、従来の方法では検査できません。

水、潤滑油、グリース、ヘアジェルのような市販品など、多くの一般材料も、各種用途の超音波カプラントとして使用できます。 しかし、高温環境下と垂直入射横波検査で最良の結果を得るためには、特別に調合されたカプラントを使用する必要があります。 オリンパスの超音波カプラントのラインアップには、各種用途に適した5種類の製品があります。 各製品の説明を、以下に記載します。

カプラント(接触媒質)B2 - グリセリン

グリセリンは汎用カプラントです。 グリセリンを使用する利点は、粘性と音響インピーダンスの高さにあり、粗い表面や減衰性の高い材料に最適です。 グリセリンの音響インピーダンスは、2.42 kg/m2s x 106です(プロピレングリコールは1.61、モーター油は約1.5、水は1.48)。 グリセリンの音響インピーダンスはプラスチックとほぼ同じで、他の一般的なカプラントよりも金属の音響インピーダンスに近いため、探触子と試験体の間の音の伝播が効率的になります。 金属検査では、グリセリンは通常、プロピレングリコールに比べて3~6 dB強い信号をもたらします。

グリセリンを使用する場合の短所は、試験体の表面からカプラントを除去しないと、空気中の水分を吸収してしまうため、一部の金属ではさびや腐食が進む点です。 除去しないとカビが繁殖する恐れもあります。 グリセリンは音響特性に優れているため鋳造部品の検査に推奨されますが、使用後は洗い流す必要があります。 腐食作用はプラスチック、グラスファイバー、または複合材料では発生しないため、これらの材料にはグリセリンを自由に使用できます。 グリセリンの推奨最高温度は約90℃です。

カプラント(接触媒質)D12:ゲル

ゲルタイプのカプラントは、多くの場合、砂型金属やグラスファイバーレイアップなどの粗い表面に推奨されます。高い粘性と音響インピーダンスによって、探触子が試験体の表面に滑らかに接触できない状況でも、音響結合を最大化することができます。 ゲルタイプのカプラントは、探触子を広い表面エリアにスライドさせる必要がある溶接部検査にも採用されます。 この場合の利点は、ゲルは広いエリアにすばやく広げられることと、探触子で溶接部をスキャンするときに音響結合がよい状態に保たれることです。 ゲルは滴が落ちたり流れ落ちたりしにくいため、頭上にある検査対象物の表面や垂直な壁の検査にも便利です。 ほとんどのゲルタイプのカプラントは、約90℃までやや高温の表面に使用できます。

カプラント(接触媒質)H-2:高温カプラント

カプラントH-2は高温で使用できるゲルです。 メーカーによると、一定のオープン環境条件下において398℃までの温度で使えます。 どの高温カプラントについても、指定された用途に適しているかどうかの判断は、ユーザーの責任において行ってください。

カプラント(接触媒質)I-2:高温カプラント

カプラントI-2は高温で使用できるゲルです。 メーカーによると、-40℃~675℃までの温度で使用できます。

横波カプラント(接触媒質):SWC-2

垂直入射横波探触子には、非常に粘度が高いカプラントが必要です。油やグリセリンなどの液体は横波に対応しないためです。 一般的に、垂直入射横波の音響結合には粘着性のある樹脂が使用されます。 オリンパスのSWC-2は、非常に粘度が高い非毒性の水溶性有機物であり、塗布や除去が容易です。 通常、探触子または試験体の表面にごく少量塗布し、押し付けて薄い層状にします。 最適な音響結合を得るため、カプラント層を薄くして、検査波長のごく一部となるようにすることが重要です。 検査が終わったら、残留物を温水で洗い流せます。 SWC-2は約38℃までの温度で使用できます。


オリンパスのカプラントのSDSデータシートは、SDS Datasheetsにあります。

一般的に使用されるカプラントとして、オリンパスが以前に提供していたシリコン油とプロピレングリコールもあります。 汎用版は化学製品取り扱い業者から入手できます。

Olympus IMS

この用途に使用される製品
探触子と試験体の間の音響カップリングを得るためには、カプラント(接触媒質)の使用がほとんどの場合に必要です。 各種検査用途に対応するカプラントをご用意しています。
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