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風力発電ブレードの内視鏡検査


風力発電イメージ

背景

風力発電は、環境負荷の少ない化石燃料の代替エネルギーとして、20世紀後半から欧米を中心に広まり、21世紀には特に中国が急成長して全世界的に広まっています。また、無限に存在する自然エネルギーを利用していることと、発電の際に二酸化炭素をほとんど排出しないこと、そして他の発電設備と比較しても建築コストと期間の短さなどのメリットがあります。更には、太陽光発電と異なり、昼夜関係なく発電に利用できるというメリットもあり、その導入促進が期待されています。
しかし、一方で、風任せによる不安定供給、大容量発電の課題、故障・事故による稼働率の低下(運転時間の減少)を避けなければならないため、各部の品質管理、検査・メンテナンスが重要視されています。

目視検査の需要拡大

風力発電は、下図の通り、ブレード(翼)、タワー(支柱)、ナセル(ギアボックス、ジェネレーター)から構成されています。また、長さが40mを超えるタービンブレードは製造時に内視鏡による品質検査が行なわれています。ブレードのトレーリングエッジ(=後縁部)の接着部分の検査 では、ブレードの途中までは人が入ることができる空間がありますが、ブレードの先端に近づくにつれて狭くなり人が入ることができなくなります。小型、軽量の工業用内視鏡 IPLEX(アイプレックス)なら、内視鏡をブレードの途中まで持ち込んで、ブレードの先端部分に送り込むことで目視検査が可能です。
ブレードのメンテナンスにおいても、工業用内視鏡による目視検査が活躍します。ブレード先端の水抜き穴の検査やブレード内部の接着部の確認、ブレード根元のハブ取り付け部の確認に使用されます。水抜き穴が塞がっていると、落雷時に内部の水が急激に気化し、ブレードを内部から破壊することがあります。また、冬場では内部の水が氷結膨張してブレードを破壊することがあります。ブレードのトレーリングエッジ内部の検査をするには、5mmのドリルでトレーリングエッジに穴を開け、合わせ接着 部分を観察・確認し、必要に応じた補修を行ないます。

風力発電システム

ロープに釣り下がった状態でトレーリングエッジ、水抜き穴の検査

ロープに釣り下がった状態でトレーリングエッジ、水抜き穴の検査

風力発電で使用されるオリンパスの工業用内視鏡 IPLEXシリーズ

ブレード検査で使用されるオリンパスの工業用内視鏡は、φ4.0~8.5mm、長さは2~30mと、各種検査用途に対応できるさまざまなラインナップを揃えています。オリンパスの工業用内視鏡は、以下の優れた機能により、世界中の風力発電設備の検査の場で使用されています。

  • バッテリー駆動:狭いナセル内でも電源ケーブルの取り回しを気にする必要なく使用可能
  • 小型・軽量デザイン:携帯性に優れているため、高所へも簡単に持ち運び可能
  • 防塵防滴性能:ほこりや水滴が付着した箇所などの検査環境にも対応
  • 各種光学アダプター:検査用途に合わせて各種光学アダプターが選択可能
  • 狙った場所を効率よく観察できる先端湾曲機構:手元の操作部でレンズの向きを適切に素早く操作可能
  • 耐久性の高いスコープ挿入部:タングステンブレード採用し、煩雑な検査挿入に耐える堅牢性を実現
優れた携帯性のIPLEX RX優れた携帯性のIPLEX RX
優れた携帯性のIPLEX RX

軽量デザイン・全天候型ボディのIPLEX UltraLite軽量デザイン・全天候型ボディのIPLEX UltraLite
軽量デザイン・全天候型ボディのIPLEX UltraLite
長尺・優れた明るさを実現したIPLEX YS長尺・優れた明るさを実現したIPLEX YS
長尺・優れた明るさを実現したIPLEX YS

検査の記録を確実にする検査支援ソフトウェアInHelp(*IPLEX YS以外)

ブレードを内視鏡で検査する際、多くの画像を撮影しますが、画像記録の時点で確実に検査部位情報を記録しておかないと検査報告書を正確に仕上げることができないばかりか、過去の検査結果との比較もできなくなります。そこで活躍するのが、検査支援ソフトウェアInHelp(インヘルプ)です。InHelpの機能を使って検査を行なえば検査画像をフォルダに分類記録し、さらに検査画像に判定情報や定型コメントを付加できます。検査終了後に報告書を作成する場合は、InHelp Viewer を活用すれば50枚以上の画像を扱う報告書でも、短時間で仕上げることができます。

目視検査以外の検査機器

オリンパスでは工業用内視鏡以外にも超音波探傷器やX線分析装置も製造販売しており、風力発電設備の検査に多く使用されています。超音波探傷器はブレードの内部破損の検査をビジュアルに実現しています。 また、バッテリー駆動の小型X線分析装置(X5000)を使えば、採取したオイルサンプルをラボに送らずにその場で含有する金属の種類、大きさと量が正確に判定できるため、ギアボックスの健康状態をより早く診断できます。例えば、X5000で特定の金属の増加が見られた場合、その金属が使用される部 位を直ぐに内視鏡で確認し、良否判定をタイムリーに行なうことが可能となります。

このように、世界中の風力発電設備の品質検査の現場で、オリンパスの工業用内視鏡及び検査機器が採用されています。製品の詳細につきましては、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。
 

Olympus IMS

この用途に使用される製品

画質、照明、計測性能、検査効率。全てを極めたハイエンドモデル。圧倒的な高画質と進化を遂げた計測機能を備えたIPLEX NXは、プロフェッショナルの高度な期待に応え、検査効率の向上に貢献します。

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