はじめに
パイプの外径(OD)および内径(ID)を、高い生産性の超音波自動探傷システムを使用して測定するのは、中心基準点がずれる可能性があるため困難を伴います。 検査員はこれを補正するため、温度、接触点、接触角度を調整する必要があります。 こうした特殊な条件を基に、検査員は伝搬時間を設定し、幾何学的測定値を取得することが求められます。 オリンパスの画期的な回転式パイプ検査システム(RTIS)は、パイプの幾何学的形状に関する有用な情報(高劣化パイプの正確な内外径など)を得るための真円度アルゴリズムを提供します。 検査員は、探傷や肉厚測定と同じシステムを使用して内径と外径を算出できるため、レーザーシステムを追加で導入する必要はありません。 |
効率的な内外径の測定
オリンパスは外径の大きなパイプ用に特殊なウエアプレートを設計し、接触点と給水ウェッジの距離が最大になるようにしました。 新しいウエアプレートを既存のオリンパス製給水ウェッジに装着して、設置済みのシステムを最新の機能へアップグレードすることができます。 接触角度が大きくなったことで、すべてのパイプ径に対して優れた測定とアルゴリズムカバー範囲を実現します。
また、正確な直径ブロックを使用して校正を行うことによって、特定の温度の伝搬時間を設定したり、実際のパイプに見られるばらつきを測定したりすることができます。
図1: 真円度に対応するオリンパスRTIS用の特殊ウエアプレート(右)とオリジナルのウエアプレート(左)
結果
RTISが持つオリンパスの真円度アルゴリズムを用いることで、検査員は伝搬時間情報を算出して、真円度や外径などの幾何学的測定値を得ることができます。 以下のグラフで、3本の線は1つのパイプインデックスに対する最少、最大、および平均の外径測定値を示しています。
パイプに沿った位置ごとに、検査員は外径および肉厚測定値の一致情報を使用して、内径を算出できます。
結論
検査員はオリンパスの真円度アルゴリズムと対応ウエアプレートを用いることで、RTISでパイプの内外径を測定できます。 次にオペレーターは最終検査結果を報告して、ひどく劣化したパイプを絞り込むことができます。 精度は温度の変動によって変わりますが、公称外径に一致する校正ブロックを使用して設定できます。
その結果、パイプの全長に対する最少、最大、および平均内外径がスクロールビューで表示されます。 オペレーターインターフェースの操作部ディスプレイから、真円度パラメーターも抽出できます。