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碍子(がいし)におけるシリコンコーティングの厚さ測定


用途: 磁器製高電圧絶縁体(碍子)におけるシリコンコーティングの厚さの非破壊測定

問題点: 磁器性絶縁体は、高電圧送電システムに広範囲に使用されています。長期間にわたって、塩分や化学物質のゴミなどの環境汚染物の堆積がフラッシュオーバーの原因となる導通経路を形成する可能性があります。Dow Corning製のSylgard®等のシリコンコーティングが、汚染物質の堆積を防止するために開発されてきていますが、これらのコーティングが効果を発揮するためには、ある程度の厚み(一般的に0.020インチまたは0.5mm)で適用される必要があります。しかしコーティング材質は高価であるため、ほとんどのユーザーは最低限必要な厚みで塗布しています。コーティングの厚さを機械的に測定するには、材料を切断するしかありませんが、超音波厚さ計を適切に設定することで、コーティングの厚さを迅速且つ非破壊で測定することが可能となります。

適用原理: 高周波音波は異なる音響インピーダンスの材質の間の境界で反射されます(音響インピーダンスは、密度に材質内の音速を乗じた物性特性として定義されます)。シリコンコーティングの音響インピーダンスはセラミックに比較してはるかに低いため、音のパルスのエネルギーはシリコン/磁器境界で反射されることになります。超音波厚さ計は、試験物質内の超音波パルスの伝播時間を表す時間間隔を高精度に測定する事で厚さを測定します。通常、この間隔は往復の伝播時間として測定され、片道の伝播時間を求めるためには半分に割る必要があります。超音波計測では、試験物質内の音速を知ることも必要で、それは通常は校正基準を使用して決定されます。この既知の音速と測定した音の伝播時間を使用して、機器は簡単な公式によって材料の厚みを計算します。

厚さ=速度 x 片道伝播時間

測定精度は、時間間隔を測定した精度と音速を得た精度に比例します。シリコンコーティングの測定においては、通常±5%の精度が得られます。

機器:シリコンコーティング測定に推奨される機器には、特別にセットアップした超音波厚さ計の38DL PLUS45MG(一振動子ソフトウエアオプション付き)と、M2055ハンドル付き20MHz遅延探触子があります。測定できる厚さの範囲は、約0.12m(0.005インチ)から1.25mm(0.050インチ)です。磁器上のシリコン測定についての厚さ計の設定はこの用途専用であり、他のタイプの検査に使用する際は、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。

手順: 適切に設定した厚さ計を使用して探触子を測定点にしっかりと安定させます。通常、探触子の端と材料表面の間に液体カプラント(グリセリン、プロピレングリコール、オイルまたは水の接触媒質)を滴下して、音響エネルギーを良好な状態で確保することが必要となります。厚さ計は測定点におけるシリコンコーティングの厚さを表示し、超音波厚さ計ではこの厚さ情報を機器本体のデータロガーに保存できます。なお、厚さが判っているシリコンをセラミック基盤上に接着させた基準サンプルを使用して、厚さ計の校正を定期的に検証する必要があります。基準サンプルは正確に測定条件を再現していることが重要ですので、接着していないシリコンの使用は避けてください。詳細な厚さ計校正の情報につきましては、必要に応じてお近くのオリンパスまでお問い合わせください。

Olympus IMS

この用途に使用される製品

72DL PLUS™高性能超音波厚さ計は、高速で精密な厚さ測定が可能な小型で使いやすい装置です。125 MHzまでの一振動子型探触子に対応するこの革新的な厚さ計は、極薄材料(複層の塗装、コーティング、プラスチックなど)の厚さ測定に最適です。同時に6層までの厚さを表示できます。

45MG高性能超音波厚さ計には、標準的な測定機能およびソフトウェアオプションが搭載されています。この独自設計の厚さ計は、当社の二振動子型および一振動子型の厚さ測定用探触子すべてに対応しています。
多用途に対応可能な38DL PLUS™厚さ計は、二振動子型探触子を使って腐食したパイプの厚さを測定したり、一振動子型探触子を使って薄い材料または多層材料を極めて正確に測定したりすることが可能です。
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