Evident LogoOlympus Logo
事例・お役立ち資料
アプリケーションノート
リソースに戻る

運用中のパイプラインの ERW 溶接検査: PA 角度付きビーム/WeldROVER の利用


 In Service Inspection of ERW Welds using PA Angle Beam / WeldROVER Scanner

背景

鋼管は、一般的に以下の2種類の基本的製造法のいずれかを使用して作られます。 一つは、溶融金属を連続的に流し込み、それをマンドレルで継ぎ合わせてシームレス管を作り出す方法です。もう一つは、鋼板を巻いて円筒状に成形し、継ぎ目を溶接する方法です。 後者の製造方法で最も一般的に適用される溶接手法が電気抵抗溶接(ERW)です。

ERW管には、割れの影響を受けやすいという固有の問題があり、また、ほとんどの割れは溶接線で起こります。 これまでにもERW溶接線の破損が引き金となって、壊滅的なパイプライン破裂や爆発が数多く発生してきました。 そのため、PHMSA(米国運輸省パイプライン・有害物質安全局)は、その指令の中で使用中のパイプラインの検査を要請しています。 通常、このようなタイプの検査は“Smart Pig”と呼ばれる装置を使用して実施されます。“Smart Pig”とは、検査・データ記録機器類を円筒状に組み上げた装置であり、これがパイプライン内部を移動しながら連続的にパイプの壁を検査します。

“Smart Pig”はパイプラインの状態を査定する超音波法をはじめとする、さまざまな非破壊検査法を利用して検査を実施します。 ただし、“Smart Pig”はERW溶接線の割れを検出する能力は持っていますが、その大部分は割れの深さを定量的に把握することができません。そのため、多くの場合、“Smart Pig”がもたらす検査結果は標準的な非破壊検査法による再評価・検証を必要とします。 ERW溶接線に割れの発生を示す兆候が検出された場合、そのパイプラインは掘り起こして、さまざまな非破壊検査法で徹底的に検査を行う必要があります。この作業で検証が必要となるERW溶接線の長さは、場合によって何マイルにも及ぶ可能性があります。

機器

オリンパス Omniscan MX2 のようなフェーズドアレイ超音波探傷器を適切なプローブとともに使用することにより、ERW溶接を円筒状の外径方向から検査することができます。この方式により、ERW溶接線の欠陥を検出し、その深さや長さの定量的な把握が可能になります。 さらに、 WeldROVER スキャナーを使用すれば、フェーズドアレイUT斜角プローブをパイプの長さ方向へ移動させながら検査を実施できます。

下に示す2つの写真は、ERW溶接線とWeldROVERとの位置関係を示しています。

WeldROVER position on the ERW seam

WeldROVER position on the ERW seam

下に示すOmniScan MX2スキャンディスプレイは、ERW溶接線の内径側と外径側の両方に位置するEDM基準ノッチを示しています。

This screen capture show the OmniScan MX2 scan display with indications from EDM reference notches positioned in the ERW seam on both the OD and ID.

結論

ここでは、オリンパス装置を組み合わせてERW溶接線の評価に適用した結果を説明しました。パイプラインの継続使用が可能か否かの判定を迫られるパイプライン所有/運営会社にとって、このシステムが価値ある財産となり得ることが分かります。 PRCI(Pipeline Research Council Inc)社はこの技術の有用性を早くから認識し、現在ではパイプラインERW溶接線の現場査定における指導的企業となっています。

“Smart Pig”検査の検証を希望される企業様向けに、オリンパスはWeldROVERスキャナーとフェーズドアレイ超音波探傷器を取り揃えています。 このシステムは、大きな外径を持つ厚肉パイプにおける二重サブマージアーク溶接線などのさまざまなタイプの長尺シーム溶接部にも適用可能です。

Olympus IMS

この用途に使用される製品
OmniScan™X3シリーズは、さまざまなフェーズドアレイツールを網羅する探傷器です。革新的なTFMと高度な可視化機能によって、自信を持って検査を実行できます。また、強力なソフトウエアとシンプルなワークフローにより、高い生産性の実現をサポートします。
OmniScan MX2に、UTチャンネルを備えた新しいフェーズドアレイモジュール(PA2)、 TOFD (Time-of-Flight Diffraction)に使用可能な新しい2チャンネルの従来型超音波モジュール(UT2)に加え、好評なOmniScan MX2プラットフォームの機能を拡張する新しいソフトウェアプログラムが搭載されました。
WeldROVERは、シンプルで非常に強力な1軸エンコーダーの電動スキャナーで、全自動でデータ収集を行います。 6本までのプローブを使用して、磁性体のパイプや容器の溶接部をフェーズドアレイにより効率的に検査します。 UT、TOFD、PA。
このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。
Let us know what you're looking for by filling out the form below.
このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。