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磁性破片量の測定: オリンパス破片テスター(Debris Tester)の応用


用途

潤滑システム内のオイルフィルターや磁性チップ検出器に堆積/付着する磁性破片の量測定:あらゆるタイプのエンジン、ギアボックス、グリースカップリングが対象になります。

Olympus Debris Tester MK3

ソリューション

オリンパスのDebris Tester™(破片テスター)は、オイル潤滑式エンジンやギアボックス内に存在する磁性破片の識別、評価、記録に使用できるポータブル測定器です。エンジン内部の破片の検査はエンジンの健康状態を監視するために確立された手法の1つであり、破片の量を正確に測定して記録することは、エンジンやギアボックスの現状の把握のために欠かせない要素です。この目的に使用できる方法が何種類か存在しますが、潤滑システム内部の特定の位置における磁性破片量測定もその1つです。

測定原理

Olympus Debris Tester MK3は「非平衡」ACブリッジコイル渦流測定を原理とする測定器です。測定ヘッドは非常に敏感なACブリッジであり、その内部に検知コイル(バランスコイルが並置されています)を備えています。安定化されたデジタル発振器(10.5KHz)が、このブリッジを駆動します。測定コイルをサンプルスロットの下側に配置し、他方のコイル(バランスコイル)は測定ヘッドに組み込まれています。測定ヘッドは、サンプルスライドがバランスコイルの真上に位置しないように構成されており、同時に、スライドと測定コイル間の距離が適正に保たれるように設計されています。

フィルターや油だめ、磁性チップ検出器上に堆積した磁性破片をテスト用のカードに慎重に移し、そのカードを破片テスター(Debris Tester)へ挿入します。潤滑システム内の、破片捕集ポイントの上流側に存在するコンポーネントについては、捕集ポイントでの測定データをプロットした結果から間接的なモニタリングが可能です。

Olympus Debris Tester MK3

サンプルを測定器の読み取りスロットへ差し込むと、ブリッジの平衡状態が崩れます。検出回路が平衡状態からの逸脱を検出し、その逸脱の程度からスライド上(測定コイルの上)に存在するフェライト含量を測定します。内蔵するソフトウェアがこの読み取り値を数値へ変換して、装置のLCD画面にピーク値として表示します。ピーク値の検出と同時に、測定器は、その時点において測定コイルの真上に存在するサンプルの面積に対応する電流値を検出して表示します。どちらの場合も、読み取り値に対応する数値はサンプル内に存在するフェライト成分の量に比例しますから、表示される数値が大きいほど大量のフェライトが存在することを意味します。こうして得られる値(LCDに表示される値)はDTU(Debris Test Units)と呼ばれ、装置内のメモリーに保存することができます。DTUデータは、測定時間を横軸として表示されますが、さらに、適当なグラフ形式を選択することにより、特定の航空機(エンジン、ギアボックスとA.P.U)データとの相対比較も可能です。

本装置への電源供給法は以下の2通りです:AC電源から外部ACアダプターを介して給電、または、外部DC電源へ直接接続。

結果の解析

通常の運転状態では、エンジンの運転時間が長くなるにしたがって部品の摩耗が進行するため、破片の量も徐々に増えてゆきます。この定常的な摩耗の進行をグラフ表示(量/時間曲線)することにより、エンジンとギアボックスの状態変化を追跡することができます。また、破片量の値を正確にグラフとしてプロットしておけば、コンポーネントへ想定外の摩耗が発生した場合にも簡単に異常(曲線上の予期される値からの乖離)を検出することができます。このような情報は、定期メンテナンスの機会を捉えてタイムリーに是正手段を講ずる予告情報として役立つばかりでなく、エンジン稼働時間と破片量との関係から新たなメンテナンスルーチンを導入するデータとしても役立ちます。このような対策を実施することで、想定外のダウンタイムと二次的な損害に伴う余分なコストの削減に寄与します。

Olympus IMS

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