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セラミック製ディーゼル微粒子フィルターの亀裂検出
アプリケーション:
セラミック製ディーゼル微粒子フィルター内部の亀裂を超音波検査で検出します。
背景:
セラミック製ディーゼル微粒子フィルターの使用は、環境を破壊するすすなどの微粒子をディーゼルエンジンの排気ガス、特にトラックおよびバスで使用されるディーゼルエンジンから除去する方法として定着しています。こうしたフィルターは直径約100mm~300mm(4インチ~12インチ)、高さ150mm~350mm(6インチ~14インチ)の大きな円筒形をしています。その多くは、コーディエライト、炭化ケイ素、またはセラミックによる、微細なハニカムパターンで作られています。高温の排気ガスが多孔質フィルターを高圧で強制的に通過すると、すす粒子がハニカムチャンネルの表面で収集され、そこで熱によって分解または酸化します。
この複雑なセラミック構造は製造時、取り扱い時、または使用中に破損しやすく、性能の低下や機能不全が発生し、結果的に環境とエンジンの両方に被害を与える可能性があります。超音波試験では、新品および使用済みセラミックフィルターの内部破損を、手軽に、非破壊で検出することができます。通常、この検査は円筒の一方の端から探傷するだけで実行できます。
装置:
この検査は、従来型の超音波探傷器と超音波フェーズドアレイ探傷器のどちらでも実行できます。超音波探傷器のEPOCHシリーズ(EPOCH LTC, EPOCH 600, EPOCH 650またはEPOCH 1000)のいずれかと、A601S-RB、V601-RB(500KHz)などの低周波表面保護付き探触子を組み合わせて使用します。超音波フェーズドアレイ探傷器のOmniScan SXも上記の探触子と組み合わせて使用することができます。探触子表面の軟らかいメンブレン(高分子ポリマー)を使用して音響エネルギーをフィルターに伝達するため、除去の困難な液体の接触媒質(カプラント)が不要です。先進のフィルターオプション(EPOCH 1000では標準装備)は、機器の低周波応答を向上させ、大型フィルターの試験時のSN比改善に役立ちます。超音波フェーズドアレイ試験は、OmniscanまたはEPOCH 1000i、および1.5L16-A4などの1.5MHzプローブで実行できます。
手順:
探触子をフィルターにしっかりと押し付けると、探触子が端面に密着します。高周波音響エネルギーが板波となってセラミックハニカム内部を通過し、不連続部分がなければ遠端(底面)で反射して戻ります。端面と平行な亀裂があった場合は、フィルターの遠端を表す表示ポイントの手前で亀裂部からのエコーを受信します。端面に対して傾いた亀裂があった場合は、直接的な反射波はありませんが、遠端からのエコーがなくなります。
下記の例は、探傷器とA601S-SB探触子の構成を示しています。左の画面イメージは、破損のないフィルターからの一般的なエコーパターンを表しています。赤いゲートの左側のエコーは送信された音波パルスの反響を表し、ゲート右側のエコーは遠端から反射された底面エコーを表しています。ゲートでマークした中間ゾーンには大きなエコーはなく、欠陥の無いことが分かります。一方、右の画面イメージは、中間点を少し超えたところに亀裂があるフィルターからのエコーパターンを表しています。ゲート上の大きな反射エコーが亀裂を示しており、ゲート右側に現れるはずの底面からのエコーは音響エネルギーが反射されずに消えています。さらに、探触子をフィルター表面上の他の位置に移動させて、他の場所の亀裂をチェックすることができます。 良品フィルターの代表的な底面エコー
(ゲート右側) | 破損したフィルターの代表的な欠陥エコー
(ゲート中間) |
既知の良好な標準試験片を使用して、フィルターのタイプごとに機器設定を確立し、それを使用して遠端(底面)からのエコーを最適化する必要があります。良品フィルターからのエコーパターンを確認し、変化を観測すると、熟練したオペレーターであれば内部破損によるエコーの変化を迅速かつ確実に確認することができます。 超音波フェーズドアレイ検査: 超音波フェーズドアレイでは、セクターまたはリニアスキャンのどちらでもフィルターの断面イメージを得ることができます。そうすることで、オペレーターが欠陥を視覚的に確認できるようになります。より大きなフェーズドアレイプローブと専用フィクスチャーを使用すると、自動試験も実現できます。 |
この用途に使用される製品
OmniScan™X3シリーズは、さまざまなフェーズドアレイツールを網羅する探傷器です。革新的なTFMと高度な可視化機能によって、自信を持って検査を実行できます。また、強力なソフトウエアとシンプルなワークフローにより、高い生産性の実現をサポートします。
OmniScan MX PAでは、手動または自動でのフェーズドアレイ検査を行います。 フル機能を搭載したA-スキャン、B-スキャン、S-スキャン、およびC-スキャン表示と、高性能リアルタイムデータ処理を実現しています。 16:128素子や、16:16M、16:64M、32:32、および32:128の構成が可能。
シングルグループで軽量のOmniScan SXは、読み取りやすい8.4インチ(21.3cm)のタッチスクリーンを搭載し、コスト効果に優れたソリューションを提供しています。 OmniScan SXには、SX PAおよびSX UTの2種類のモデルを用意しています。 SX PAは、16:64PRの装置で、UT専用のSX UTと同様に、従来型UTチャンネルを備え、P/E、P-CまたはTOFD検査に対応しています。
OmniScan MX2に、UTチャンネルを備えた新しいフェーズドアレイモジュール(PA2)、 TOFD (Time-of-Flight Diffraction)に使用可能な新しい2チャンネルの従来型超音波モジュール(UT2)に加え、好評なOmniScan MX2プラットフォームの機能を拡張する新しいソフトウェアプログラムが搭載されました。
EPOCH 650は、さらに高性能な探傷機能を備え、幅広い用途に対応した従来型超音波探傷器です。 人気のEPOCH
600探傷器の後継機で、さらに機能を追加し、堅牢設計でより操作しやすくなりました。
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