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中国における海洋エンジニアリングの品質管理に新時代を開くCOOEC


フェーズドアレイ技術の開発と応用

China Oil Offshore Engineering Company(以下COOEC)は中国では数少ない最新試験装置を使用するエンジニアリング請負企業の一つです。COOECは海洋石油掘削にも積極的な姿勢を示し、石油化学エンジニアリングに取り組んでいます。また、COOECは極東と東南アジア地域における液化天然ガス(LNG)供給に関わる施設建設と保守にも携わっています。このような分野で活動中のCOOECはアジアにおける最大級のエンジニアリング、調達、建設、据付企業(EPCI)です。

2002年、COOECは中国に自動超音波検査システムPipeWIZARDを導入しました。これに続く10年間、COOECはオリンパス製検査装置の保有台数を着実に増加させています。現在、同社はアジア太平洋で最大規模のオリンパス製装置を所有しています(COOECはPipeWIZARDを13システム、OmniScanを9システム保有)。

COOECは炭素鋼パイプラインと腐食耐性合金(CRA)をモニタリングするためのフェーズドアレイ検査技術を開発しました。このAUT検査技術はDNV-OS-F101(2012)が規定する要件に厳格に準拠しています。このような実績を踏まえて、COOECは中国と海外で継続的に高品位QCサービスを提供しています。特に、4.5インチ海中パイプラインの肉厚測定や、それに関連する急速水冷装置などの検査において、COOECはその優れた技術能力を実証しています。COOECはまた、フェーズドアレイ超音波検査法(PAUT: Phased Array Ultrasonic Testing)を用いてステンレス鋼パイプラインを監視(欠陥サイズを正確に評価する)する方法を開発しました。COOECはこの技術を中国で特許申請しています。

炭素鋼パイプラインを対象とするAUTスキャニングプロセス

COOECは、機械式スキャナーをコンピューター制御してプローブを炭素鋼パイプライン表面上で移動させ、自動超音波検査(AUT)を実行する方法を開発しました。このAUTは、コンピューターインターフェイス上であらかじめ定義したグリッドに沿って最適なデータを収集するように設計されています。炭素鋼パイプライン上でスキャンを行うことにより、温度感度、マクロ分割、放射線検査(RT)、および伝播時間解折(TOFD)などのデータが得られます。この開発の過程に関するすべての事項が完全に記録されています。

詳細説明:

  • 製造時に発生した溶接欠陥(98箇所)と、誘発欠陥(445箇所)の検出
  • AUTスキャニング検査実施(1080回)
  • SALAMI法を使用してパイプラインをマクロ分割(2200スライス)
  • スキャニングプロセスを264枚の写真で記録
  • 記録レポート発行(1712回)

記録が残されているすべての検査方法、スキャニングプロセス、および検査データはDNV-OS-F101(2012)の特定要件に準拠しており、かつ、DNV-GL発行のAUTシステム品質認証レポート(report No.: 2013-4086_Rev01)に準拠しています。

表 1:高さサイズ判別精度(5%アンダーサイジング値)
Table 1: Height sizing accuracy at 5% under-sizing

表 2: 高さサイズ判別精度(90%/95% POD 値)
Table 2: Height sizing accuracy at 90%/95% POD

腐食耐性合金(CRA)パイプラインに適したAUTスキャニングプロセス

COOECは、すべての腐食耐性合金パイプラインでAUTを実施できるプロセスも開発しています。プロセス全体での処理のため、COOECはコンピューターインターフェイス上であらかじめ定義したグリッドに沿って最適データを収集しました。ここで使用したスキャニング技術により、温度感度、マクロ分割、および放射線検査(RT)などのデータが得られます。この開発に関わるすべての事項が完全に記録されています。

プロセスの詳細:

  • 製造時に発生した溶接欠陥(22箇所)と、誘発欠陥(285箇所)の検出
  • スキャニング試験実施(140回、すべてを記録)
  • SALAMI法を使用してパイプラインをマクロ分割(445スライス)
  • 記録レポート作成(96枚の写真を含む)
  • レポート(498)の作成とファイリング

COOECが記録したすべての検査方法、スキャニングプロセス、および検査データはDNV-OS-F101(2012)の特定の要件に準拠しており、かつ、DNV-GL発行のCRAシステム品質認証レポート(report No.: 2014-4014_Rev02)に準拠しています。

表 3:高さサイズ判別精度(5%アンダーサイジング値)
Table 3: Height sizing accuracy at 5% under-sizing

表 4:高さサイズ判別精度(90%/95%PODにおける値)
Table 4: Height sizing accuracy at 90%/95% POD

プロジェクト実施による成果

COOECによって開発されたAUT PAUTスキャニング法は、COOECの顧客による検討を経て認証されています。これらの認定レポートをもとにして、COOECは顧客に満足のゆくQCサービスを提供しています。

表 5: 成果一覧
No. プロジェクト名 使用技術 材料 規格
1 LW3-1海中パイプ敷設プロジェクト AUT CS DNV-OS-F101 (2005)
2 CRAパイプ敷設プロジェクト AUT CRA DNV-OS-F101 (2005)
3 LF7-2パイプ敷設プロジェクト AUT CS DNV-OS-F101 (2005)
4 HZ 19-2/3パイプ敷設プロジェクト AUT CS API 1104 (2005)
5 PL 19-3パイプ敷設プロジェクト PAUT CS API 1104 (2005)
6 LW3-1上層建築プロジェクト PAUT CS ASME B31.3 344.6.2
7 PY 34-1プロジェクト PAUT CS/CRA ASME B31.3 344.6.2
8 HZ 25-8上層建築プロジェクト PAUT DSS ASME B31.3 344.6.2
9 En 24-2上層建築プロジェクト PAUT DSS ASME B31.3 344.6.2
10 CX/CX-N上層建築プロジェクト PAUT CS ASME Code Case 181
11 BSPプロジェクト PAUT DSS ASME B31.3 344.6.2


省略記号: CS----炭素鋼; CRA----腐食耐性合金; SS----ステンレス鋼;DSS----二相ステンレス鋼

COOECは高度な技術レベルを維持しながら、顧客へ高品位のサービスを提供するというコンセプトを守り続けています。COOECは既存技術に磨きをかけるとともに新規技術の開発に努め、第一級のエンジニアリング品質を実現し、高品位の製品をお客様にお届けしています。

Olympus IMS

この用途に使用される製品
OmniScan™X3シリーズは、さまざまなフェーズドアレイツールを網羅する探傷器です。革新的なTFMと高度な可視化機能によって、自信を持って検査を実行できます。また、強力なソフトウエアとシンプルなワークフローにより、高い生産性の実現をサポートします。
シングルグループで軽量のOmniScan SXは、読み取りやすい8.4インチ(21.3cm)のタッチスクリーンを搭載し、コスト効果に優れたソリューションを提供しています。 OmniScan SXには、SX PAおよびSX UTの2種類のモデルを用意しています。 SX PAは、16:64PRの装置で、UT専用のSX UTと同様に、従来型UTチャンネルを備え、P/E、P-CまたはTOFD検査に対応しています。
OmniScan MX2に、UTチャンネルを備えた新しいフェーズドアレイモジュール(PA2)、 TOFD (Time-of-Flight Diffraction)に使用可能な新しい2チャンネルの従来型超音波モジュール(UT2)に加え、好評なOmniScan MX2プラットフォームの機能を拡張する新しいソフトウェアプログラムが搭載されました。
PipeWIZARDは、フェーズドアレイ法と従来のUT法を使用した、パイプ円周溶接部の自動検査(AUT)システムです。陸上や海上における厳しい環境下での現場で溶接部を次々と検査できるよう特別に設計されています。
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