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パイプの軸方向に沿った腐食検査


パイプの軸方向に沿った腐食検査

用途

オリンパスのカスタムガスケットプレート搭載HydroFORM®スキャナーを使用したパイプの軸方向に沿った腐食検査ソリューション。

背景

HydroFORMスキャナーは、パイプ検査市場に導入されて以降、腐食マッピングにその真価を発揮しています。 スキャナーの革新的な局部水浸法という概念と、超音波フェーズドアレイ法を使用することにより、従来型の超音波(UT)検査法と比較し、検査速度とデータの品質、精度が飛躍的に向上しました。

問題

パイプの健全性、特に腐食については、石油化学産業が常に頭を悩ませてきた厄介な問題です。 パイプシステムの検査の信頼性と効率を確実なものにするためには、この作業に有効なツールを備えることが重要です。 腐食検査においては、パイプの軸方向(縦方向)に沿って帯状に検査するだけで十分な場合があります。 次に例を示します。

  • 円周に沿ってスキャンすると非常に頻繁なインデックスの作成が必要になる小型パイプ
  • 円周の特定の領域に対象箇所が集中しているパイプ
  • 360°全周へのアクセスが不可能なパイプ

HydroFORMと ChainSCANNER の標準パッケージは円周に沿って検査するための実績豊富なソリューションですが、HydroFORMスキャナー自体はパイプの縦方向に沿うスキャニングに適していません。 インデックス・クリッカーを使用するか、またはソフトウェアインデックス・クリッカーを用いた手作業によって、複数の帯状部からデータを取得し、同じデータファイル内に積み重ねることができます。 しかし、ビームステアリングやカップリングの点から(この2つの要素は、プローブの主軸がパイプに接するときに、まったく異なる作用をします)、微調整が必要となります。

ビームが表面にちょうど0°で当たるようにするためには、ステアリングが必要です。 また、ピッチが大きな高周波数プローブ(たとえば標準7.5L64-I4)はサイドローブを発生することが多く、これが発生するとS-スキャン画像全体に乱れが生じ、メインローブからエネルギーが漏れる原因となります。

ガスケットの曲率半径とパイプの直径がうまく一致しない場合には、水漏れの問題も発生します。

対処方法

これらの問題を解決するには、より適切なフェーズドアレイプローブを、HydroFORMスキャナー用に設計された曲面型ガスケットプレートと組みフェイズドアレイプローブ合わせて使用します。

キットの構成部品

製品型番 アイテムナンバー 説明
OMNI2-P2-PA16128 U8100126 OmniScan® MX2探傷器(16:128 PAモジュール付き)
HydroFORM-SCN U8750059 HydroFORMスキャナー(磁気ホイール、給水柱付属)(プローブ別売)
5L128-64X7-I4-P-7.5-OM U8331667 アプリケーション用PAプローブ。 5 MHz、振動素数128、ピッチ0.5 mm、エレベーション7 mm(7.5 mケーブル、OmniScanコネクター付き)。
CFU03 U8780008 電気的結合供給装置
HydroFORM-A-CurvedPlates U8775301 外径範囲12~20インチ用の特定用途向け曲面型ガスケットプレートキット。HydroFORMスキャナーに対応
Clicker-manual Q7500011 (オプション)LEMO®コネクターを使用したハンドヘルドクリッカーシステム。 インデックスボタンが1つと設定可能なデジタル入力ボタンが1つ付いたハンドルから構成されます。 ケーブルには、オリンパスのエンコーダーまたはスキャナーからのLEMOオスコネクターに接続するLEMOメス入力コネクターが付いています。 ケーブル長は2.5 m。

問題

この特殊なアプリケーションは、標準的なHydroFORMのアプリケーションと似ていますが、ソフトウェアとハードウェアが、いくつかの点で異なっています。

標準的には、幅が約4 mmのアパーチャー(8振動素子の5L128-I4フェーズドアレイプローブ)を持つリニアグループが最適です。 ほとんどの場合、焦点深度を接触面から約2 mmの位置に設定することができます。

パイプの軸方向に沿った腐食検査

図1:標準的な設定ウィザード構成

図1に示すのは、すべてのビームが表面に垂直入射する構成を使用してOmniScanウィザードで得られた結果です。 パイプの長手方向として定義し、ウィザードのステップに従います。 この構成(外径12.75インチ)では、最初のロウから最後のロウまでで全円周の約55 mmをカバーしています。 先端部で検出された欠陥は中央部の欠陥よりも小さく見えることに注意してください。これは、スキュー角度が大きくなるに従ってビームとビームの間隔が狭くなるためです。

パイプの軸方向に沿った腐食検査

図2:パイプへの接触を保つためには、オプションの曲面型ガスケットが必要です.

直径12~20インチの場合に適正な接触を確保するためには、カスタム設計した曲面型ガスケットプレートを使用する必要があります(図2参照)。 前述のキットには、直径12~16インチパイプ用ガスケットプレート(公称外径14インチ)と、外径16~20インチパイプ対応ガスケットプレート(公称外径18インチ)が含まれています。

HydroFORMバギーをパイプ表面の滑らかで突起等のない箇所に据え付けた状態で、調整ノブ(図3参照)を使用して水柱を調整し、すべてのフォーカルロウがパイプ接触面を正確に深さ0 mmで捉えるようにします。 こうして得られるS-スキャンは接触面を平坦な形状として表示します。

注意:パイプ円周面上のスキャナーの向きにより、HydroFORMの気泡を管理する方法は異なります。 水室に気泡が入っている場合は、スキャナーをパイプ上で素早く前後に動かして気泡を取り除いてからデータ収集を開始する必要があります。

パイプの軸方向に沿った腐食検査

図3:接触面を平面として示すS-スキャン表示.

フォーカルロウの振幅を均一化するために感度の校正の実施をお勧めします。また、時間補正ゲイン(TCG)を使用すれば、接触面エコーの飽和を制限しながら、材料内での減衰を補正することができます。

感度の校正は、すべてのフォーカルロウを対象に、校正ガイド機能を使用して実施します。 TCGポイントを内径と外径の両方に(理想的には校正用試験片上に)手作業で追加します。

このセクションでは、外径12インチのパイプから得られた結果について説明します。

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図5に示すのは、OmniScan探傷器の腐食パッチマッピングです。 円周の約55 mmの幅をカバーする帯状領域(図1参照)には合計121のフォーカルロウが対応し、円周方向の分解能は0.5 mmです。

図5に示すのは、OmniScan探傷器の腐食パッチマッピングです。 円周の約55 mmの幅をカバーする帯状領域(図1参照)には合計121のフォーカルロウが対応し、円周方向の分解能は0.5 mmです。

パイプの軸方向に沿った腐食検査

図5:腐食パッチの厚みマッピング.

図6に示すのは、表面下7.5 mmの3 mm径平底穴であり、非常に優れたSN比でキャプチャされていることが分かります。


パイプの軸方向に沿った腐食検査

図6:表面下7.5 mmにある3 mm径平底穴.

結論

HydroFORMスキャナーを使用して軸方向スキャンを実行することができますが、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 外径公称値が12インチ以上であること。
  • 外径が12~20インチの場合は2種類の曲面型ガスケットプレートを使用すること(両方ともキットに含まれます)。 20インチを超える場合は、HydroFORM用標準ガスケットプレートを使用できます 。
  • オリンパスOmniScan MX2またはSXウィザードを使用して正しいフォーカルロウが計算されていること。
  • OmniScan MXUソフトウェアバージョン4.4R2以降を使用していること。
  • 使用するプローブが、パイプの直径に合わせたビームステアリングに適したピッチと周波数を持つこと 。

Olympus IMS
この用途に使用される製品

探傷する面に対してプローブを正確に配置できるかどうかにより、検査の精度は大きく影響されるものです。オリンパスは、検査担当者をサポートするために多岐に渡る工業用スキャナーやアクセサリー類を提供しています。スキャナーも、手動式や電動式、1軸及び2軸エンコーダー等さまざまな構成タイプを取揃えています 。
小型・軽量のOmniScan SXでは、超音波フェーズドアレイ探傷器(PA)および従来型の超音波探傷器(UT)の2モデルを用意しています。TOFD溶接検査も可能で、PAではシングルグループに対応しています。シンプルな操作性と高いコストパフォーマンスを実現するベストバリューモデルです。
モジュール方式を採用したOmniScan MX2は、超音波フェーズドアレイ検査(PA)と従来型の超音波検査(UT)に対応します。大型のタッチスクリーンモニターを搭載し、迅速なセットアップから探傷・データ収集、レポート作成までスムーズで優れた性能を発揮します。TOFD溶接検査も可能で、PAではマルチグループに対応しており、高精度な検査を実現するフラッグシップモデルです。
オリンパスは、腐食検査市場を対象にセミオートマチック式のフェーズドアレイソリューションを提案。新技術だけでなくさらに新しい可能性を提供しています。検査結果が不確かな小型超音波探触子による自動ラスタスキャンとは異なり、フェーズドアレイプローブを使用することで、より広範囲の面積をカバーしながら、安定速度による手動走査を可能にし、効率的に高分解能データを収集することができます。
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