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35RDC CFRPダメージチェッカーによる航空機複合材料検査


アプリケーション

航空機の固体積層複合材料は、衝撃によって表面からは見えない内部損傷が発生していることがあります。35RDC CFRPダメージチェッカーは、航空機の複合材料の表面下にある衝撃による損傷部分を確認し、スクリーニングするために設計された、シンプルなハンディータイプの装置です。通常は、5MHz広帯域の直接接触型探触子(V109-RB)が使用されます。試験可能な複合材料の厚さは、0.635~22.8mm(0.025~0.900インチ)の範囲です。

注意

  • 35RDCは予備的なスクリーニングのみを目的としています。超音波探傷器を使用した経験豊富なオペレーターによる、総合的な試験の代用となるものではありません。
  • 35RDCを使用する際は、必ず検査方法のトレーニングを受けてから行い、部品または航空機メーカーのサービスまたは修理マニュアルに記載された推奨検査手順に従ってください。

動作原理

超音波は、予測可能な経路で材質内部を通過します。積層複合材料と結合された超音波探触子で発生された高周波音波が、空気との境界面まで材料内部を通過します。境界面では反射してエコーとなり、それが計測器によって検出されます。構造的に一体化した複合材料では、反射は底面または積層面の内面から発生します。ところが、積層のはく離や表面と平行した亀裂面があると、その損傷部分で反射が発生し、早いタイミングでエコーが戻ります。良品と損傷した材料とのエコーパターンの違いにより、表面からは見えない内部損傷部分を確認できます。
35RDCのデフォルトのアラーム設定では、底面から2層以内の厚さのバッファゾーンで発生した複合材料のはく離に反応し、速度の変動、厚さのわずかな差異、層の脱落に対応しています。

手順

35RDCは広範囲なスキャンを目的としたものではありません。損傷が疑われる部分のスクリーニングに使用してください。
35RDCは、試験対象材料の厚さに対する校正を行ってから使用してください。通常は、衝撃による損傷を受けた部分を確認し、その場所から損傷を受けていない部分に向かって75~150mm(3~6インチ)移動させます。超音波探触子を、材料の損傷していないことが分かっている場所に確実に接触させオペレーターが校正キーを押します。校正点における、複合材料の反対面からのエコーを機器が確認し、それが基準として設定されます。その後、機器が試験モードに切り替わったら、探触子を対象部分に移動させてください。

探触子を試験点に接触させ、新しいエコーパターンと基準パターンが比較されます。エコーを底面エコーよりも早いタイミングで受信した場合、または底面エコーが存在しない場合は、損傷が存在することになり機器のモニターに「BAD」と表示されます。校正ウィンドウ内で強い底面エコーのみを受信した場合は、機器のモニターに「GOOD」と表示されます。強い底面エコーのみを受信したが、校正ウィンドウよりも遅かった場合は、「BEYOND CAL THICKNESS」と表示されます。

この分析は基準エコーに基づいているため、厚さまたは材質が異なる場所に移動するたび、常に35RDCを再校正する必要があります。通常、この校正手順は数秒で終わります。再校正することなく、異なる厚さの材料を測定しようとすると、校正に使用した材料よりも新しい材料が薄いか厚いかによって、機器にBADまたはBEYOND CAL THICKNESSと表示されます。

重要:BADと表示された場合は、複合材料の検査に精通したNDT専門家による詳しい検査を必ず受ける必要があります。35RDCによる試験は主にスクリーニングを目的としたものであり、経験豊富な検査担当者による総合的な試験と同等ではありません。

例:

1. 固体積層材料 - 底面からのエコーを検出

超音波パルスが積層の反対面で反射し、特定のタイミングでのエコーが発生します。機器はこのエコーを基準として使用します。

2. 積層の剥離 - 亀裂からのエコーを検出

超音波パルスが亀裂で反射し、校正点よりも早いタイミングでエコーを受信します。機器はこれを剥離として識別します。

3. 材料が校正済みの厚さよりも厚い - 測定ウィンドウ外でエコーが発生

材料の厚さが変化した場合、底面からのパルスのタイミングがずれます。校正した標準材料よりも新しい材料が厚い場合、機器は「BEYOND CAL THICKNESS」状態として識別します。

Olympus IMS

この用途に使用される製品

35RDC複合材料ダメージチェッカーは、航空機の複合材料部への衝撃損傷による表面下欠陥を検出するために設計された、シンプルなOK/NG判定の超音波厚さ計です。

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