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VCAモデルのVanta分析計によるオイルおよび燃料内の摩耗金属と添加剤の分析


VCAモデルのVanta分析計によるオイルおよび燃料内の摩耗金属と添加剤の分析

はじめに

潤滑油内の摩耗金属または添加剤、および燃料内の汚染物質の分析は、さまざまな機械の正しい保守点検や機能にとって重要です。 重工業輸送機器、トラック輸送機器、鉱山設備、航空機器、軍装備品、および舶用機器の検査要件は、ますます厳しくなっています。 多くの分野で、機械オペレーターは燃料や潤滑油を早く正確に分析することを切望しています。 こうした要求を満たすべく、オリンパスはVantaハンドヘルド蛍光X線分析計およびそのオイル分析手法を開発して、測定時間の高速化と試料の前処理作業の削減を実現しました。 Vanta蛍光X線分析計は、オペレーターに現場でリアルタイムに分析結果を提供し、主要な摩耗金属(銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)など)のほか、いくつかの二次金属や規制金属(マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)など)を測定できます。 またVanta分析計では、主な燃料添加剤(リン(P)、硫黄(S)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)など)の濃度もASTM D6481に基づいて測定できます。 Vanta分析計による定期検査を実施することで、オペレーターは故障になる前に問題を発見でき、損失を防ぐことができます。

摩耗金属と二次金属の分析

摩耗金属分析は、潜在的な機械の故障を、費用のかかる深刻な問題になる前に検出するにはうってつけの方法です。 エンジンや潤滑油内の金属元素は、故障の可能性の予測に役立つほか、障害のある構成材の特定にも寄与します。 金属濃度の上昇を初期段階で迅速に検出することは、効果的な検査を実施する上で欠かせません。 また、いくつかの二次金属(MoやMnなどの合金化元素とHgやCdなどの有害な重金属)もオペレーターはよく検査しています。 こうした元素は、エンジン性能と法規制準拠の両方の指標となります。 ものの数秒以内に、オペレーターは31種類の元素を分析して、エンジン系統の故障の可能性を迅速に識別できます。

オイル添加剤の分析

極端な温度や重い負荷の下で作動する精密機器を保護するため、最高品質の潤滑油は特別に調合した有機金属添加剤に依存しています。 このような添加剤によって、潤滑油が長持ちし、金属表面が保護され、潤滑油の使用範囲が広がります。 カルシウムや亜鉛などの添加元素は潤滑油の重要な特性に寄与する一方で、硫黄やリンなどの元素は極圧潤滑剤に欠かせません。 潤滑油内の金属と添加剤を定期的に測定する強固な保守点検プログラムは、目視検査のために構成材を定期的に分解する費用を削減するだけでなく、摩耗した構成材が障害となる前に示唆して識別しやすくします。 ASTM D6481は、添加元素の潜在的な減少をモニターすることについての情報を提供しています。 Vantaハンドヘルド蛍光X線分析計が持つ感度と再現性は、この規格で設定されている基準をクリアするのに効果的です。

VCAモデルによるオイルの再現性の比較

元素 濃度(PPM) D6481が求める再現性
(PPM)
VCAの再現性
(PPM)
(低いほどよい)
リン(P) 100 60.0 36.0
硫黄(S) 150 9.7 6.0
カルシウム(Ca) 4000 56.5 46.4
亜鉛(Zn) 1000 18.4 8.0

Vanta蛍光X線分析計の性能

Vanta分析計の性能を証明するため、VCAモデル(Vanta Cシリーズの銀アノード分析計)を使用して、さまざまなレベルの摩耗金属、二次金属、添加元素を含む認証値を持つオイル試料について検査しました。 試料は、蛍光X線分析用Proleneウィンドウフィルム付きのプラスチック容器にそのまま入れました。 示されている結果は、5回の繰り返し検査の平均をラボ分析値と比較したものです。

Vanta蛍光X線分析計の性能

摩耗金属

Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能
Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能
Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能

二次金属

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Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能

添加元素

Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能
Vanta蛍光X線分析計の性能Vanta蛍光X線分析計の性能

オイル分析は、オイル内の金属が持つ不均一な性質から、大きくばらつく傾向があります。 また、元素間の相互作用も各種の遷移金属と添加元素の正確性と感度に影響する可能性があります。 このような制約にもかかわらず、Vanta分析計は上記すべての元素に対する検査で高い再現性と一貫性を示しました(すべての元素でR2>0.95)。 近似線は摩耗金属と二次金属についてラボ分析値の5%以内、添加剤についてラボ分析値の16%以内でした。

結論

オリンパスのVantaハンドヘルド蛍光X線分析計は、エンジンオイルを正確に検査するために、摩耗金属と二次金属の含有量を低ppmレベルで効果的かつ正確に測定できます。 また、ASTM D6481に従って燃料内の添加元素を検査することもできます。 Vanta蛍光X線分析計は、感度、性能、使いやすさを効果的に兼ね備えており、これを使用する機械やエンジンのオペレーターは自信を持って検査できるようになります。

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