1 00:00:11,366 --> 00:00:13,496 こんにちは。私は、オリンパス超音波厚さ計セールスエンジニアの 2 00:00:13,498 --> 00:00:17,163 ニナ・ジオメッティです。 3 00:00:17,166 --> 00:00:18,930 今回は、38DL PLUSのエコー間測定と 4 00:00:18,933 --> 00:00:21,033 スルーコート測定の違いについて 5 00:00:21,036 --> 00:00:23,761 説明したいと思います。 6 00:00:23,765 --> 00:00:25,861 38DL PLUSには 7 00:00:25,865 --> 00:00:28,563 塗装やコーティング加工がされているパイプやタンク 8 00:00:28,566 --> 00:00:30,395 その他の鋼材料の残存肉厚を測定するための 9 00:00:30,398 --> 00:00:32,895 独特な2種類の機能が搭載されています。 10 00:00:32,898 --> 00:00:36,228 そこで今回は、薄いプラスチック片を使って 11 00:00:36,231 --> 00:00:38,796 コーティングの厚さをシミュレートします。 12 00:00:38,800 --> 00:00:41,596 最初に説明する機能は、エコー間測定と呼ばれるものです。 13 00:00:41,600 --> 00:00:44,196 この機能では、38DL PLUSは 14 00:00:44,200 --> 00:00:46,330 鋼材料内の複数のバックウォールエコー間の 15 00:00:46,333 --> 00:00:49,895 底面反射波伝播時間(タイムオブフライト)を測定し 16 00:00:49,898 --> 00:00:52,063 塗装あるいはコーティングされた表面下の 17 00:00:52,066 --> 00:00:54,628 母材金属の表示を行います。 18 00:00:54,631 --> 00:00:57,528 エコー間測定は、塗装あるいはコーティングされた材料の 19 00:00:57,531 --> 00:01:00,761 残存肉厚の測定において 20 00:01:00,765 --> 00:01:02,728 最も一般的な測定方法です。 21 00:01:02,731 --> 00:01:04,761 この機能の限界は 22 00:01:04,765 --> 00:01:08,663 この信号でも見られるように 23 00:01:08,666 --> 00:01:12,096 内壁面が極度に侵食あるいは腐食していると 24 00:01:12,100 --> 00:01:14,596 複数のバックウォールエコーがなくなってしまうことです 25 00:01:14,600 --> 00:01:17,228 エコー間測定のもう1つの限界は 26 00:01:17,231 --> 00:01:18,996 厚さの材料に関することです。 27 00:01:19,000 --> 00:01:22,730 つまり、材料に、材料減衰と不規則なバックウォールエコーがある場合 28 00:01:22,733 --> 00:01:26,563 2つのバックウォールエコーを捉えることが難しくなってしまいます。 29 00:01:26,566 --> 00:01:30,196 また、15ミリ以上の材料の場合 30 00:01:30,200 --> 00:01:32,063 1番目のバックウォールエコーと 31 00:01:32,066 --> 00:01:34,898 2番目のバックウォールエコーの間に 32 00:01:34,901 --> 00:01:38,331 不要なモード変換エコーによる干渉が起きてしまいます。 33 00:01:38,335 --> 00:01:42,331 ここでは、20ミリの校正用試験片に探触子を接触させていますが 34 00:01:42,335 --> 00:01:44,865 厚さ計が1番目のバックウォールエコーを検出しているものの 35 00:01:44,868 --> 00:01:47,831 2番目のバックウォールエコーは振幅が非常に低く 36 00:01:47,835 --> 00:01:49,963 測定が困難です。 37 00:01:49,966 --> 00:01:52,396 エコー間測定のもう1つの限界は 38 00:01:52,400 --> 00:01:54,863 材料の測定に関係します。 39 00:01:54,866 --> 00:01:56,796 材料肉厚が2.5ミリ以下の場合 40 00:01:56,800 --> 00:02:00,630 複数のバックウォールエコー間の伝播時間を区別することが 41 00:02:00,633 --> 00:02:04,096 非常に難しく、不可能です。 42 00:02:04,100 --> 00:02:05,730 この場合、1ミリの試験片に 43 00:02:05,733 --> 00:02:07,665 探触子を接触していますが 44 00:02:07,668 --> 00:02:10,331 複数のバックウォールエコーの伝播時間を 45 00:02:10,335 --> 00:02:13,396 明確に区別することができません。 46 00:02:13,400 --> 00:02:16,596 38DL PLUSの2つ目の特長は 47 00:02:16,600 --> 00:02:18,863 外表面が塗装あるいはコーティングされている 48 00:02:18,866 --> 00:02:22,265 パイプやタンクの残存肉厚を測定することができる点です。 49 00:02:22,268 --> 00:02:23,730 この機能はスルーコート機能と呼ばれています。 50 00:02:23,733 --> 00:02:25,563 この機能では、厚さ計は 51 00:02:25,566 --> 00:02:27,671 1つのバックウォールエコーを使って 52 00:02:27,675 --> 00:02:29,230 コーティングの厚さと金属母材の厚さを 53 00:02:29,233 --> 00:02:31,796 同時に測定することができます。 54 00:02:31,800 --> 00:02:33,831 スルーコート機能の利点は 55 00:02:33,835 --> 00:02:36,465 ここに示すように 56 00:02:36,468 --> 00:02:39,265 複数のバックウォールエコーがない場合や 57 00:02:39,268 --> 00:02:42,230 厚い材料、薄い材料を測定する場合にも 58 00:02:42,233 --> 00:02:43,963 正確な厚さ測定ができる点です。 59 00:02:43,966 --> 00:02:46,065 これは、複数のバックウォールエコーがない場合の 60 00:02:46,068 --> 00:02:49,063 スルーコート測定です。 61 00:02:49,066 --> 00:02:51,098 これは、20ミリの試験片における 62 00:02:51,101 --> 00:02:55,465 スルーコート測定です。 63 00:02:55,468 --> 00:02:57,366 これは、1ミリの試験片における 64 00:02:57,370 --> 00:03:00,063 スルーコート測定です。 65 00:03:00,066 --> 00:03:02,001 スルーコート機能の限界は 66 00:03:02,005 --> 00:03:03,933 コーティングの厚さが0.125ミリ以下の場合や 67 00:03:03,936 --> 00:03:05,433 コーティングされた表面が 68 00:03:05,436 --> 00:03:08,618 粗いあるいは不規則な場合 69 00:03:08,621 --> 00:03:12,200 スルーコート機能では 70 00:03:12,203 --> 00:03:14,501 コーティングの厚さと 71 00:03:14,503 --> 00:03:16,001 金属母材の厚さを 72 00:03:16,005 --> 00:03:18,433 明確に区別することができません。 73 00:03:18,436 --> 00:03:20,400 塗装された材料を測定する場合 74 00:03:20,403 --> 00:03:22,400 スルーコート機能が 75 00:03:22,403 --> 00:03:24,466 コーティングと金属母材を適切に区別できず 76 00:03:24,470 --> 00:03:26,565 コーティングの厚さ値が測定されず、 77 00:03:26,568 --> 00:03:28,466 母材の厚さも 78 00:03:28,470 --> 00:03:29,865 不正確になります。 79 00:03:29,868 --> 00:03:32,835 スルーコート用探触子の独自の機能は 80 00:03:32,838 --> 00:03:35,300 1つのバックウォールエコーのみで 81 00:03:35,303 --> 00:03:37,866 コーティングの厚さ測定および母材の厚さ測定を行う 82 00:03:37,870 --> 00:03:41,065 スルーコートモードで使用できる点です。 83 00:03:41,068 --> 00:03:43,565 また、これらの探触子は 84 00:03:43,568 --> 00:03:45,265 複数のバックウォールエコーで 85 00:03:45,268 --> 00:03:47,533 母材の厚さを測定する 86 00:03:47,535 --> 00:03:49,931 エコー間測定モードでも使用できます。 87 00:03:49,935 --> 00:03:52,200 または、標準測定モードで 88 00:03:52,203 --> 00:03:55,800 第1バックウォールエコーへの測定でも使用できます。 89 00:03:55,803 --> 00:03:57,596 これで38DL PLUSの 90 00:03:57,600 --> 00:04:00,033 エコー間測定およびスルーコート測定の 91 00:04:00,036 --> 00:04:03,033 違いについての説明は終わりです。 92 00:04:03,036 --> 00:04:05,668 さらに詳しい内容についてのお問い合わせは、 当社のウェブサイトをご覧ください。 93 00:04:05,670 --> 00:04:10,633 www.olympus-ims.com 94 00:04:10,636 --> 00:04:14,435 または、お近くの販売店までお問い合わせください。