Inspection & Measurement Systems

技術情報

ビーム・ステアリング

前項で述べた様に、フェイズドアレイ検査の本質は、振動素子個々または振動素子グループの励振遅延タイミングを変化させることによって超音波ビームの方向(屈折角)及び集束点を電子的にステアリングすることにあります。このビーム・ステアリングにより一つのフェイズドアレイ探触子で探触子自体を走査することなく、複数の角度検査、複数の深さポイント検査の両方またはどちらか一方が可能になります。

前にも説明しましたが、超音波ビーム特性の定義には多くの要素が関係します。フェイズドアレイ探触子の性能は、振動素子の寸法、周波数、及びダンピングといった従来型単一振動素子の性能を左右する要素以外に、従来型と同等の開口幅を実現する為に、従来型より小型の振動素子の個々の配置、サイズ、そしてグルーピングをどの様にするかということにも影響されます。

フェイズドアレイ探触子用に、N個の振動素子をグループ化し開口幅を生成します。それにより指向角を従来型探触子モデルを用いて同様に考えることが可能になります。

フェイズドアレイ探触子用に、最大ステアリング角( -6 dB時の)を指向角の方程式から導き出すことが出来ます。小さい振動素子の方が指向角は広く、従って角度エネルギーの含有量も多くなります。この指向角と角度エネルギーを組み合わせるとステアリングを最大に出来るということは容易にお分かり戴けると思います。


フェイズドアレイ探触子には製造上の実質的な限界があり、その為振動素子個々の最小幅は0.2mmに制限されます。従って、0.2mm幅の振動素子を16個搭載したプロープの開口幅は3.2mmになります。逆に6.4mmの開口幅のものを製作するのには32個の振動素子が必要となります。 これらの探触子は間違いなくステアリングを最大にしますが、開口幅が小さい為ステアリングをせずにカバー出来る領域、感度、そしてフォーカシング性能が制限されることになります。

ステアリング範囲は斜角ウェッジを使用することによって更に変更を加えることが出来ます。理由は斜角ウェッジは電子ステアリングとは独立して音波ビームの入射角を変更出来るからです。


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