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ケーススタディー:ポータブルXRFによるメキシコ・ソノラプロジェクトでの土壌地質調査(英語)


オリンパスのポータブル蛍光X線(pXRF)分析計は、土壌、岩石、鉱石の多元素分析に必要な地質化学データをリアルタイムで提供します。

背景

First Mining Finance(FMF)社がポータブル蛍光X線分析計(pXRF)を選択した理由は、試料の前処理が最小限でよいことや、比較的低コストであることに加えて、高速解析、信頼性、土壌検査への適合性を備えているからです。

同社の目的は次の3つからなります。ほぼ沖積層の広大な見込みエリアを迅速に評価すること、探査目標の優先順位を決めること、そして信頼性の高い方法で不毛帯を放棄することです。 従来の分析方法では時間と費用がかかりますが、pXRFの検査結果は、鉱化帯の伸長図を迅速に描き、沖積層下の特異帯を区別するのに役立ち、費用も手頃です。

金探査用ポータブルXRF
FMF社によるpXRFの用途は、金の指示元素の検出、土壌異常の検出、構造の定義、および岩石マッピングです。

ポータブルXRFの価値

分析コスト

  • 3つのプロジェクト全体で20,000個の試料を検査
  • 平均4,000個のXRF試料/月(試料をプロジェクトオフィスで検査する場合、FMFチームは1人1台のXRF装置ベースで8,000~9,000/月が可能)。
  • FMF社がpXRF検査に掛ける費用は 約$4/試料(月次レンタル料と人件費込み)。サンプリングとデータ処理の費用を合わせると、総費用は$12/試料。
  • 検査費用は、民間ラボで行う従来の湿式化学分析の約3分の1~4分の1に相当。

時間およびプロジェクトのコスト

  • pXRFから得られる即時の検査結果によって、管理者はタイミングよく自信を持って判断できるため、プロジェクト活動をうまく計画できます。 こうした一例として、現場で活動する社員と請負業者が現場にとどまったまま、異常区域を記入したり、必要な場合にサンプリングを拡大したりすることができ、中断期間、撤去、旅費の必要がありません。
金探査用ポータブルXRF
ポータブルXRFは30種を超える元素を即時に測定し、微量元素の特性解析が可能です。

プロジェクトの背景

FMF社は3つのソノラプロジェクトにpXRFを使用しました。

  1. ミランダプロジェクト:エラドゥーラ鉱山から南東へ50 km、ソノラ-モアフェ金せん断帯(SMM)内の16,000ヘクタール(ha)超をカバーします。 対象とするのは、金-ヒ素(Au-As)の特徴と鉛‐タングステン‐ビスマス(Pb-W-Bi)の結合を有し、露天掘りのリーチング可能な造山帯であり、構造的に管理された金系地帯です。
  2. ソコロプロジェクト:エルチャナテ鉱山の北西に位置する約40,000 haをカバーします。 対象には、バルク露天掘りでヒープリーチング可能な金鉱床と、高角構造で高純度の中熱水性金鉱脈の両方が含まれます。
  3. サンリカルド金プロジェクト:ソノマ中北部に位置するこのプロジェクトは、歴史的な鉱山や複数のAuターゲットを有する37,000 ha超をカバーしており、浅熱水性鉱脈と有望な斑岩型鉱床が含まれます。 予備掘削では、金品位13~23 g/tで1~2.3 mの遮断部が報告されました。
金探査用ポータブルXRF

方法

試料は分析前に、#20、#35、#80メッシュでふるいにかけます。 pXRFには#80片を使用します。 分析の開始時に、QA/QCを含む日報が作成されます。 この日報では、一日当たりに分析されたパルプ量、重複量、再分割量、ターゲット量、標準、pXRF機器の社内校正が管理されます。 社内校正は分析計の分解能143 eVです。 標準、重複、および再分割分析のXRF試料日報も作成されます。パルプ番号のラベルが連続して順序どおりに記録されます。

各パルプ、ブランク、標準、重複、および再分割試料の分析時間は、土壌モードの工場出荷時校正を使用して、パルプ当たり2ビーム×30秒の合計60秒です。 XRFの検査結果はICP-MS検体と比較され、2つの相関(80~90%)は優れていました。

金探査用ポータブルXRF

主なターゲット

金探査用ポータブルXRF
図1:土壌地球科学図におけるヒ素。 起伏データ(右下)は、ヒ素値の分布と傾向を示しています。

ターゲット1:最初のターゲットは、土地の中央部にある網状花崗岩です(金品位0.18g/tで60 m。西に向かって地下に伸びる唯一の露頭。 個々の試料は金品位0.1~0.36 g/tのばらつきあり)。 ヒ素、鉛、亜鉛の異常部が長さ2 km、幅1 kmの区域を形成しています。

ターゲット2:2つ目のターゲットは、土地の北部にあるメタ堆積岩の2 km超にわたるせん断帯で、9つの試料は金品位0.75~2.6 g/tと測定されました。 せん断帯と金鉱化作用に関連する長さ1 km、幅500 mの土壌異常区域があります。

結果

3つのプロジェクトエリア全体における3種類の鉱化作用について、ポータブルXRFの土壌分析結果は非常に優れたものでした。 分析結果から、特にヒ素、鉛、亜鉛の広域にわたる地質異常が判明し、これらの値は装置の検出限界を大きく上回りました。

この地質異常は金鉱化作用に深く関連しており、すべてのケースにおいて、ターゲットサイズは鉱化制御構造の形状を完全に描くように広がっています。 一部のケースでは、ターゲットにそれまで認識されていなかった異常区域が識別され、さらに詳細な現地検証を行う理由になっています。

金探査用ポータブルXRF金探査用ポータブルXRF
金探査用ポータブルXRF金探査用ポータブルXRF

品質保証と品質管理(QA/QC)

QA/QCは分析プログラムの重要な部分です。 装置の性能をモニタリングするには、認証された標準試験片が必要です。 二酸化ケイ素や現場のブランク試料を検査の開始時と途中に使用することで、pXRF検査プロセスの汚染をモニタリングできます。 また、現場の重複試料を採用することで試料の均質性を、再現試料によって精度/再現性(同一の試料または試料分割)をモニタリングすることもできます。

検出限界についての注記

QA/QCの目的で、二酸化ケイ素(BLK)ブランク試料、認証された標準試験片(OREAS)、重複試料(DUP)、再分割試料(FDUP)が使用されました。DUPは最初の分析を行ったのと同じ地点のパルプの分析を重複させるものであり、FDUPは最初の分析および重複試料とは異なる地点のパルプをシェイクし、新たに分析を行うものです。 DUPとFDUPは、パルプ試料25個ごとに作成します。

pXRFの利点

FMF社がpXRFの使用を選択した理由としては、比較的低コストであること、高速解析、信頼性、土壌検査の適合性に加えて、試料の前処理が最小限でよいことが挙げられます。

また、pXRFは30種を超える元素を即時に測定し、含有微量元素の特性解析が可能です。 これによって、岩石地球化学図を使用して、層序を相関させ、示準層や金属鉱化作用帯を識別するのが容易になります。 適切なQCおよび操作手順とともに用いると、ポータブルXRFは高速で経済的、かつ正確なツールです。 金の指示元素の検出に効果的で、土壌異常の検出、構造の定義、および岩石マッピングに役立ちます。

Olympus IMS

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