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レーザー顕微鏡による伝導鋼板表面テクスチャーの微細構成分析


様々な産業の生産環境の中で鋼板表面テクスチャーの微細構成解析を実施することには、多くの理由があります。自動車製造では、金属製または半金属製のブレーキパッドの摩擦摩耗に関して検査が必要になる場合があり、鋼鉄性のエンジンシャフトの潤滑性の分析が必要な場合もあります。電磁鋼製造では、鉄心損失を最小限に抑えるために、表面付近の粒子配向を慎重にチェックしなければなりません。これは、電動モーターおよびトランスにおけるエネルギー効率と信号性能を改善するために重要です。
数多くの産業で行われている鉄鋼表面処理と特殊表面コーティングの開発も、品質保証に関しては表面分析に頼っています。 

サンプル領域は多くの場合マイクロメーター未満で測定されるものの、鋼板表面の微細構成は複雑で、大きく異なっていることもあります。こうした領域は金属顕微鏡で観察するのが難しく、金属顕微鏡での定量的表面深度分析は不可能です。鋼板サンプルを高倍率で扱う際には、オリンパスのLEXT OLS4100レーザー顕微鏡が、より効率的な観察と分析のオプションを提供します。

腐食分析

産業環境で摩擦摩耗を受けたり通電されたりした鋼板サンプルの他にも、天候および水やその他の液体が鋼鉄サンプルに及ぼす影響を測定しなければならないことがよくあります。これらの例では、複合サイクル試験方法(複合サイクル試験器を使用して制御された、塩水、乾燥、あるいは湿潤環境を生成する方法)または屋外曝露試験法(鋼のサンプルを様々な種類の鋼板とともに異なる自然環境に曝露する方法)のいずれかを行った後に、腐食レベルが高倍率で分析されます。

腐食レベルを正確に評価するために、マイクロメートル未満のレベルで測定される小さな腐食でも、表面と腐食の最も深いポイントとの間の深さが測定されます。鋼鉄めっきにおいては、基本的なタイプの腐食が4種あります。

鋼板に見られる腐食の4つのタイプ。
 

小さな鋼板腐食は観察が非常に困難なことがあるため、金属顕微鏡を使って分析されます。OLS4100レーザー顕微鏡は、様々な使用状況および曝露環境にわたり、大小の腐食サンプルを効率的に測定して把握するのに必要なデータ全てを提供します。以下は、OLS4100を使って作成した腐食画像です。

小さな腐食のトポロジカルな特徴が、高倍率で視覚化されています。
 

大きな腐食:大きな腐食パターンを把握するためには、多くの場合画像を結合する必要があります。
 

サンプル分析:鋼板の粗さ

自動車メーカーが鋼板供給業者に鋼板の面粗さを高倍率で測定することを求めるとき、OLS4100は、高い解像度と、面粗さを正確に測定する能力を提供します。以下は、接触面粗さ測定器で取得した鋼板粗さと比較した、OLS4100で取得した鋼板粗さの測定値を示します。 


 

サンプル分析:電磁鋼の表面モルフォロジ

電磁鋼とは、磁気特性を改善するために約3%のケイ素を含む鋼のことです。変圧器は磁力を利用して電圧を伝達することから、変圧器の鉄心とコイルには、磁力を高めるために電磁鋼が幅広く使用されています。電磁鋼の質は、省エネルギーとCO2排出量に直接影響を及ぼします。 

電磁鋼の表面にギャップが生じると、その鋼の磁気特性は反対方向の影響を受けます。ギャップが大きくなればなるほど、生じ得る鉄心損失の量も大きくなります。鉄心損失を分析する際、ギャップの深さと鉄心損失との関係を判定するためには、これらの小さな表面ギャップを正確に測定することが必要です。エネルギー効率を高め、信号性能をより良好にするためには、鉄心損失を低減することが重要です。 

信頼性の高い測定のためには、20 μmのギャップを測定する精度が約1~2 μmでなければなりません。OLS4100は、これらのギャップを1 μm未満の精度で測定することが可能です。さらに、オペレーターはOLS4100を使って30秒以内に3D画像を取り込むことができるため、検査時間が短縮され、他の分析に使う時間を多く確保できます。


 

サンプル分析:表面処理とコーティング剤の開発

鋼の新しい表面処理と表面コーティングは、腐食安定性を改善し、鋼めっきのための特別な特徴を付加し、鋼構成部品の外観を改善する方法として、常に開発が行われています。鋼板の粗さはこれらの処理とコーティングの性能に関連するため、この開発過程において分析が行われます。OLS4100を用いることで、トップコート、下地層、ケミカルコート、合金、および鋼板自体を含むいくつもの処理およびコーティング成分を綿密に観察し、表面粗さについて分析することができます。

鋼板粗さは、表面処理とコーティングの性能に直接結びつきます。
 

要約

鋼板腐食、摩擦摩耗、表面粗さ、あるいは鉄心損失のいずれの観察と分析に使用した場合でも、オリンパスLEXT OLS4100レーザー顕微鏡は、マイクロメートル未満のレベルでの、非常に効率的な観察と分析を実現します。オペレーターは30秒以内に高解像度の3D画像を取り込むことができるので、個々のユーザーの使用時間を短縮し、全体的な検査効率を高めることができます。OLS4100を用いた鋼板表面分析に最適な環境が見られる産業の例として、自動車、発電、表面処理/コーティングの開発、航空宇宙、防衛、および製造が挙げられます。
 

Olympus IMS

この用途に使用される製品

LEXT OLS5100は、非接触・非破壊で微細な3D形状の観察・測定が可能なレーザー顕微鏡です。 サブミクロンオーダーの微細な形状測定に優れ、スタートボタンを押すだけでオペレーターの習熟度に左右されない測定結果を得ることができます。 また、新開発の『実験トータルアシスト』により、実験計画作成からデータ取得・解析、分析・データ出力までを一括管理することで、人為的なミスを低減し、手戻りを防ぎます。ISO/IEC 17025認定校正に対応しています。

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