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地質サンプルにおける音速と減衰の測定


地質試料中を伝播する超音波の速度と減衰の測定

用途

岩や鉱物などの地質試料中を伝播する超音波の速度と減衰の測定。

背景

超音波伝送法は地質物質の機械的特性を明らかにする目的で利用されてきた測定法です。 特に、硬度、弾性率、粒状構造など、地質物質の物理的パラメーターを定量的に把握するために使用されました。 その他に、実験室条件下で土壌や砂の圧密を観察するためにもこの技術が使用されています。 以下に説明するように、通常、これらの検査は2つの表面を平らで平行にした試料を低周波数探触子で挟んだ透過法によって行なわれます。 一方、現場の検査では、超音波よりもはるかに低い地震波周波数が使用されます。

機器

準備が整った地質試料を検査するための標準的な装置として、オリンパスEPOCH 650™のような超音波探傷器が使用されます。 この検査では、直接接触型低周波数探触子を一対で使用して、縦波モードと横波モードの両方で動作させます。 それぞれのケースに応じてどの探触子を使用するかは、検査材の音響特性と試料の大きさに依存しますが、いずれの場合も1 MHz以下の周波数を使用するのが一般的です。 周波数は、浸透深さが適切であるか、歪みのない波形が得られるか否かを基準として選択します。

手順

探触子を接触できる2つの平らかつ平行な表面を持つものであれば、試料をさまざまな形状とサイズに作成することができます。 通常、円筒状やブロック型の形状を持ち、測定方向への厚みとして50 mm(2インチ)から250 mm(10インチ)程度が一般的です。 試料の直径または幅は、使用する探触子の振動子のサイズよりも大きくします。 大部分の地質物質は超音波の周波数に対して強い散乱特性を示すので、通常は送信側と受信側の探触子を分離して、透過法で検査を行います。 装置のパルサーを透過モードに設定し、最良の応答が得られるようにゲインとフィルターを調節します。 透過法検査では、2つの探触子を接触させて信号を取得し、それを基準(ゼロ点)として探触子のゼロ遅延を決定します。 縦波検査では、多孔質試料の音響吸収を最小化するためにゲル状接触媒質(カプラント)を使用するのが有効です。 横波探触子を接触させる場合は、特殊な高粘性接触媒質(オリンパスのSWC-2横波用接触媒質)の使用が必須条件となります。

パルス経過時間は、探傷器、オシロスコープ、またはデジタル波形表示装置をパルサー/レシーバーに接続して測定できます。 探傷器のソフトウェアは速度と測定を計算する機能を持っています。

縦波
95 mm(3.75インチ)の砂岩を試料としてEPOCH 600探傷器で測定した一方向経過時間:V102-SB縦波探触子2個、V152-RB横波探触子2個を使用(両者とも1 MHz、直径1インチ)。
横波
95 mm(3.75インチ)の砂岩を試料としてEPOCH 600探傷器で測定した一方向経過時間:V102-SB縦波探触子2個、V152-RB横波探触子2個を使用(両者とも1 MHz、直径1インチ)。

95 mm(3.75インチ)の砂岩を試料としてEPOCH 650探傷器で測定した一方向経過時間:V102-SB縦波探触子2個、V152-RB横波探触子2個を使用(両者とも1 MHz、直径1インチ)。

速度の実測値と材料の密度データを使用して、弾性特性を計算することができます(「弾性率測定」アプリケーションノート参照)。 既知の条件を反映する基準試料を用いて実験的に校正曲線を求めた結果から、減衰は物質の粒状構造や微視的な割れに関連することが知られています。

Olympus IMS

この用途に使用される製品
EPOCH 650は、さらに高性能な探傷機能を備え、幅広い用途に対応した従来型超音波探傷器です。 人気のEPOCH 600探傷器の後継機で、さらに機能を追加し、堅牢設計でより操作しやすくなりました。
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