アプリケーション:
ゴム製コンベヤーベルトの織布やワイヤまでの厚さを測定し、使用中のベルトの残肉測定をする。
背景: 重工業や製鋼業では、鉱石や鉱物の輸送などのために、強度補強用の織布またはスチールワイヤをベルトの内部層に組み込んだコンベヤーベルトを使用しています。コンベアベルトメーカーは、製品が仕様を満たしていることを保証するために、ベルトの補強層までの厚さを測定する必要があります。ベルトユーザーは、設備の定期点検などで停止している時に、製品寿命を推定するために残りのゴムの厚さを定期的に測定する必要があります。大型ベルトは非常に高価なため、残りのゴムの厚さに関して正確に測定することは、ユーザーにとって貴重です。 オリンパスの超音波厚さ計や、探触子は長年に渡りこの測定で採用されています。 織布で補強されているベルトの場合には、超音波は補強されている最初の層でほとんど反射するため、それ以上深いところへはほとんど透過しません。ベルト全体の厚さの測定は、スチールコードの間隔が十分広い箇所がある場合のみ、超音波を遮るものが無いため測定可能となります。しかし、ほとんどのユーザーにとって重要な測定は、全体の厚さ測定ではなく、最初の補強層までのゴムの厚さです。この測定は、超音波厚さ測定ではよく実施されている一般的な測定アプリケーションです。 機器: 通常ゴムの厚さが20mm以下の場合、超音波厚さ計35、 35DL、 38DL PLUSで測定することができます。 これ以上ゴムが厚い場合は、35HP、 35DLHP、および高浸透探触子オプション付きの 38DL PLUSといった、高浸透対応装置を使用する必要があります。超音波厚さ測定は、オリンパスの超音波探傷器EPOCHシリーズのいずれかで行うこともできます。特にゴムの厚さが、50mm以上の非常に厚いゴムの厚さ測定には、EPOCH 1000シリーズをお勧めします。 探触子は、測定するゴムの厚さの範囲に応じて選択します。ゴムの厚さが1~6.25mmの場合、2.25MHzの遅延材付き探触子M207-RBが一般に推奨されます。ゴムの厚さが2.5~25.0mmの場合、2.25MHzの高浸透接触型探触子M1036がよく使用されます。薄いゴム層や、より厚いゴム層で利用出来る他の探触子も有ります。 超音波が減衰する材料の様々なアプリケーションと同様に、ゲル状の接触媒質、またはグリセリン(カプラントB)の使用を推奨します。磨耗の激しい稼働中のコンベヤーベルトを測定する場合、はがれたゴムまたはその他の屑を測定前に表面から取り除く必要があります。 手順:布製の補強材を使用したベルト外側のゴム層をM1036探触子で測定する最も一般的な状況では、初めに機器のM1036デフォルト設定を使用し、必要に応じて最大ゲインを増加させて厚さの範囲を測定します。薄いベルトの測定が必要な場合は、初期ゲインも増加させます。これらのどの設定でも、探触子がカップリングされていない場合に機器に常に読み取りの失敗が表示される(つまり、ゲインが高すぎることが示される)まで、通常はゲインを増加させることができます。これらの設定を行った後は、非常に高いゲインで設定を行っているため、探触子をゴムに接触させない状態でも常に測定値を表示している状態となります。 ![]() M207での薄いゴム層の一般的な測定
M207遅延材付き探触子を使用して布製の補強材を覆う薄いゴム層を測定するには、M207 Mode
2のデフォルト設定を使用し、表示される超音波エコーの状況を確認しながら、必要に応じてゲインとブランキングを調整します。
編込みのスチールワイヤで補強されているコンベヤーベルトの厚さ測定は、超音波がスチールワイヤで反射する面が非常に複雑な形状をしているため、通常、測定が困難になります。同様の形状をしたテストピースを用意するなどして、慎重に超音波厚さ計のゲイン調整をしてください。また、スチールワイヤの材質(鋼)はインピーダンスが高いため、エコーの極性が正極ではなく負極になることに注意してください。
ゴムの複合材内の音速は一般に、1.650mm/uS (0.0650インチ/uS)のオーダーになります。特定のタイプの探触子とベルトについて厚さ計を適切に設定できるようにする為には、オリンパスNDTにお問い合わせください。 |
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