Inspection & Measurement Systems

用途/事例

アプリケーションノート

位相変化(ピーク極性反転)による接着部検査

アプリケーション: 非破壊試験で、金属、ガラス、セラミックに接着されたプラスチック、グラスファイバー、ゴム、エポキシなどのように、音響インピーダンスの低い材料と高い材料の異種材料間における接着部検査を行います。
このアプリケーションノートで紹介するアプリケーション例として自動車クラッチアセンブリーの製造業者があります。この業者は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のディスクをスチール製支持プレートに接着したクラッチプレートの接着部を検査する必要がありました。その他のアプリケーションに、金属パイプおよびタンクのプラスチックライナー、ガラスへのプラスチック安全コーティング、金属ローラーへのゴムコーティング、および金属部品へのエポキシコーティングなどの接着があります。この技法は、バビットのような柔らかい低インピーダンス金属を硬い高インピーダンス金属(鋼または黄銅)の上に接合している金属ベアリングにも使用されています。

問題: 接合部または溶接部の超音波による接合評価に一般的な技法は、2つの材料間の境界からの反射信号の振幅高さを見ることです。この方法は、金属と金属またはプラスチックとプラスチックなど、2つの接合材料の音響インピーダンスが類似している場合に適しています。ただし、2つの材料で音響インピーダンスが大幅に異なる、プラスチックと金属の接着などの場合には、健全な接着部と不良な接着部とでは反射信号の振幅高さの変化はあまりありません。こうしたケースでは、接着部と剥離部とで、すぐ見て分かる違いは、境界からのエコーの位相が逆(ピーク極性が反転)になることです。

機器: このテストは、整流されていないRF波形を表示するEPOCH XTEPOCH LTCEPOCH 600EPOCH 1000などのポータブル超音波探傷器で行います。持ち運びが必要なければ、パルサーレシーバ(5072PR/5073PR/5077PR/5058PR)の中から選択して、オシロスコープまたはデジタル波形表示装置と一緒に使用できます。用途に合った周波数やタイプの探触子を選択しますが、効果を最大にするには、すべての場合に広帯域特性の探触子を推奨します。

手順: 2つの材料の境界からの反射信号の位相(極性)および振幅の両方は、その2つの材料の相対的な音響インピーダンスによって決まります。材料の境界からのエコーの位相(極性)は、相対音響インピーダンスのオーダーが逆(ローからハイに対してハイからロー)になると逆転(反転)します。

図1と2は、プラスチック/空気およびプラスチック/金属の境界からのエコーをそれぞれ示し、位相が逆転しています。写真はEPOCH探傷器とV109探触子(広帯域特性、5MHz)で、F214試験片をテストしたものです。

図1は、5mmの平らなプレキシガラスプラスチック片の底面からのエコーを示しています。RFモードにセットアップしたEPOCH XT探傷器とV109探触子(広帯域特性、 5MHz)でテストしています。この場合の音エネルギーは、相対的に高いインピーダンスの材料(プラスチック)と非常に低いインピーダンスの材料(空気)の間の境界から反射しています。このセットアップでは、このハイからローへのインピーダンス境界からの戻りエコーは、負極性のエコーと考えられます。


図1:プレキシガラスプラスチック(反対側は空気)からのエコー

図2では、同じプレキシガラスプラスチック片をアルミニウム片に接着しています。音エネルギーは、今度は、相対的に低いインピーダンスの材料(プラスチック)と高インピーダンスの材料(アルミニウム)の間の境界から反射しています。プラスチックの音響インピーダンスは空気より高く、アルミニウム、鋼などの材料より低くなっています。ここで重要なのは、絶対音響インピーダンスではなく、境界におけるハイからロー、あるいはローからハイの関係です。この場合の結果は、プラスチックから空気への境界からの信号に関して反転した正極性のエコーです。


図2:アルミニウムに接着されたプレキシガラスプラスチックからの境界エコー

一般に、健全な接着部と剥離部とでは位相(極性)に明確な違いがあり、これは校正試験片を用いてすぐに分かります。実際のサンプルでエコーを観察しやすいように調節し、次に剥離しているサンプルで位相変化を観察することが最善です。上記のサンプルパターンは、5072PRなどのパルサーレシーバをアナログ式またはデジタル式のオシロスコープと使用しても同様に得られます。やはり、剥離部があると、プラスチック/空気の境界で負極性のエコーが生成され、それに対して、健全な接着部からのエコーは正極性に反転します。

注記 : 表示されるエコー極性は、測定器内の信号処理に応じて任意です。オリンパスNDTの探傷器およびパルサーレシーバでは、ここに示したような表示になるのに対し、他メーカー製の測定器では逆の信号が表示されることがあります。試験片がこの現象の確認に役立ちます。ローからハイへのインピーダンス境界における位相反転の基本原理は、すべてのケースに当てはまります。

この用途に使用される製品

EPOCH 1000 シリーズ

フェイズドアレイ機能(断面映像化)を搭載した高性能超音波探傷器です。

EPOCH 600NEW

高い性能と使いやすさにこだわった「ハイクオリティ&ユーザーフレンドリー」モデルの超音波探傷器です。

EPOCH LTC

わずか0.96 kgの堅牢でコンパクトな超音波探傷器です。マルチカラーVGAディスプレイ、PC用USB On-the-Go ポート、ダイナミックDAC/TVGは標準装備です。

EPOCH XT

数多くの機能を標準装備した高性能な超音波探傷器です。調整可能な矩形波パルサー、選択可能な狭帯域および広帯域のデジタルフィルターなど。

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