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導入事例(SGSグループ):金属・CFRP素材の観察


概要

SGSグループは、多種多様な部品や製品の試験、認証におけるリーディングカンパニーです。子会社であるSGSフレセニウス研究所(Institut Fresenius GmbH)では、自動車、航空機、医療技術分野を専門とし、種々の方法を用いて材料や部品の検査を行っています。この研究所は最近、オリンパスのデジタルマイクロスコープDSX510を導入し、試験効率の向上に成功しました。

工業分野の業務フローでは、効率が最優先されます。この原則は、SGS研究所の直近のプロジェクトにおいても顕著でした。そのプロジェクトとは、新型電気自動車BMW i3用炭素繊維強化樹脂(CFRP)の品質管理業務で、この製品はすでに量産されています。

品質は向上:時間は節約

CFRPサンプルの準備品質管理の一環として、CFRPのサンプルに対して最初にやらなくてはならないことは、約300枚の顕微鏡写真を撮影し、それを詳細に調査するということです。顕微鏡写真を使用して信頼性の高い評価を行うためには、完全な画像が必要です。そのため、従来はまず全体を約20の領域に分けて顕微鏡で高倍率の写真を撮影し、それらを手作業で編集して全体の画像を作っていました。しかし、この作業は非常に時間と手間がかかり、全体の画像を1枚作成するのに約15~20分の時間がかかっていました。

オリンパスのDSX510を導入したことにより、この工程を大きく変えることができました。DSX510は自動貼り合わせ機能を使用することにより、顕微鏡写真作成の時間が約5分にまで大幅に短縮されたのです。多くの場合、顧客から要求される納期は非常に厳しく、これを守るには業務の迅速な遂行が極めて重要ですが、業務を迅速に進められることになり、担当のチームは大喜びしました。また、準備時間が短縮されたことで、担当者は画像の評価という重要な作業に専念することができます。DSX510の導入により、費用面だけではなく品質の向上にも貢献することが証明されました。

オプトデジタルテクノロジー:品質保証における革新

目標位置を探すこれらの進歩には、自動貼り合わせ機能に加え、DSX510の操作がシンプルであることが挙げられます。DSX510は、複数の画像を高精度に貼り合わせますが、ほかの顕微鏡とは異なり、自動制御の電動ステージによって高精度に位置決めされるため、従来のように手作業で撮影範囲を決める必要がありません。例えば、メモリーチップのように複数のパターンが繰り返し現れるような場合、どこまでが最初の領域でどこからが次の領域かを人の目で判断するのは容易ではありません。しかし、このような非常に規則的な構造のサンプルでも、DSX510では自動で位置決めをすることが可能です。

DSX510のマルチプレビュー機能は、さまざまな観察法によるプレビュー画像を一覧表示し、ユーザーはその中から最適な観察法を選択できるため、誰でも簡単に操作できます。観察法を選択すると必要なパラメーターが自動的に設定されるので、手動で調整する必要はありません。また、マクロマップ機能により現在の観察位置が常に画像上に示されているため、画像を拡大、縮小しても、ユーザーは観察位置を見失うことがありません。また、光学式13倍ズーム、デジタル式30倍ズームが高倍率の検査を容易にしています。

ディスプレイ画像:圧着コネクターと電気ケーブルSGSのチームは、DSX510を導入したことによって多くのメリットを得ましたが、中でも日常的な品質保証業務が大きく改善されました。例えば、彼らは日常業務の一つとして、航空機用エンジンのタービンブレードに不良材料が含まれていないかを検査します。この検査で使用される顕微鏡画像はどれも非常に似通ったものですが、DSX510なら高倍率で検査できるため、その中から潜在的な異常を見つけることは、金属組織試験技士にとってそれほど困難ではありません。DSX510の直感的なGUIも、潜在的な材料不良の検出を効率化しています。また、欠陥があるまたは反射率が極端に異なるサンプルの検査には、ハイダイナミックレンジ(HDR)やオリンパス独自のWiDERなどの優れた機能を利用できます。

自動化されたシステムとその使いやすさのおかげで、基本的に誰でもサンプル交換と撮影をすることができます。材料試験の専門家がやらなければいけないのは、撮影した画像を分析することだけです。これもDSX510を導入したことによる効率向上のメリットであり、特に大量の材料サンプルを日常的に検査する際には、研究所の競争力アップに直結します。

微分干渉観察による完全な画像

欠陥サンプルの画像SGSの専門家たちは、DSX510による検査時間の短縮に大きなメリットを感じています。また同時に、DSX510の先進的な技術も高く評価しています。DSX510はLED照明を搭載することにより、明視野観察法(BF)と暗視野観察法(DF)を組み合わせることが可能になり、その結果欠陥や不規則性を簡単に検出できるようになりました。また、微分干渉観察法(DIC)に対する評価も高く、表面の凹凸や微細な欠陥を調べることができます。ある歯科技術分野のお客様は、プラスチック部品の材料分離の分析をSGSに依頼しました。

顕微鏡写真の納品後、お客様からSGSに、これほど素晴らしくしかも有益な画像はこれまで見たことがないという喜びの電話がありました。DICそれ自体は新しい技術ではありませんが、オリンパスのオプトデジタルテクノロジーによる改良は、これまで見えなかった世界への扉を開きました。またSGSのお客様は、デジタルマイクロスコープの持つ将来性を非常に高く評価しています。SGSは、DSX510を導入したことによって、お客様からの業務依頼の件数が大幅に増加しています。

Olympus IMS

この用途に使用される製品

高度な光学技術とデジタルイメージング技術を融合した、オリンパスのデジタルマイクロスコープDSX1000シリーズ。解析業務スピードの飛躍的向上と充実した精度保証によりをワークフロー革新を実現します。ISO/IEC 17025認定校正に対応しています。

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