技術情報

フェイズドアレイ・セクタースキャン

ここまで述べてきた全ての画像表示方法の中で、セクタースキャンはフェイズドアレイ探傷装置特有のものです。リニアスキャンでは、全フォーカルロウは固定角によりアパーチャを配列します。一方、セクタースキャンは固定アパーチャを使用し、設定した角度範囲に対してステアリングするようにフォーカルロウを走査します。

セクタースキャンでは、主に二種類の方式が通常使われます。一つは最も一般的で、医療用画像化技術として普及しているタイプで、垂直探傷用のウェッジを使って縦波をステアリングし、垂直成分を中心とした扇形状の画像として生成します。

二番目の方式は斜角検査用のウェッジを用いビーム入射角を大きくし、横波を生成します。入射角は30°~70°の屈折角の範囲にするのが最も一般的です。この方法は一般的な斜角探傷と似ています。違いはウェッジにより決定された単一固定角ではなく、むしろ一定範囲の角度に亘ってビームをスキャンすることにあります。リニアスキャンと同様下の動画では、試験片の検査領域を断面画像化している様子を紹介しています。

実際の画像生成は、前の章で紹介したリニアスキャンと同様にA‐スキャンの積み重ね原理を利用しています。ユーザーは開始角度、終了角度、それに角度ステップを設定しセクトリアル・イメージ(扇形画像)を生成します。お気付きと思いますが、アパーチャは不変で、設定された角度がそれぞれ対応する超音波ビームを生成します。このビームはアパーチャ、周波数、ダンピング等の点で特性を持っています。各角度(フォーカルロウ)からの受信波形はデジタル化され、適切に対応する角度で色に関連付けられてプロットされ、そして断面画像を生成します。

実際には、セクタースキャンはリアルタイムで生成され、その結果探触子の動きに合わせてわかりやすい断面画像を継続的に提供します。このことは、複数の角度に対しての斜角探傷一度に行うことができることを意味しており、欠陥、特にランダム方向の欠陥の可視化に非常に有効であり、欠陥の検出確率を高めます。

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